バングラデシュの地に日本のサクラ咲く 東日本大震災の犠牲者の冥福祈り

写真提供=本会バングラデシュ教会

熱帯気候のバングラデシュに、立正佼成会東京東支教区の壮年部員らと現地会員の協力で植えられた日本のサクラが昨年に続き、今年も花開いた。東日本大震災の犠牲者に慰霊の誠を捧げていた現地の会員の心情に応えて、移植されたものだ。

きっかけは、3年前、同支教区の壮年部員らがバングラデシュ教会を訪れた際、現地の会員が震災の犠牲者に対する慰霊の気持ちを持ち続けていることを知ったことに始まる。「東北の人々を忘れない」というバングラデシュの人々の思いを大切にしたいと、帰国後、日本のサクラを届けるプロジェクトが始動した。賛同者からの寄付金でこれまで、オオシマザクラやカワヅザクラなどの苗木1000本を贈呈した。

バングラデシュに届けられた苗木は、バンダルバン県の公園やチッタゴンの第二次世界大戦戦没者墓地、ダッカ大学、諸宗教施設などに植えられた。日本とは異なる気候の同国はサクラの成長に適さず、移植は困難と見られていたが、現地会員らが手入れを重ね、順調に育っているという。

バンダルバン県知事のキャ・セラーさん(53)は、「このサクラを大事に育て、県をサクラでいっぱいにしたい。震災の被害に遭われた日本の皆さん、サクラはバングラデシュの地で頑張って咲いています。どうかこのサクラのように元気を出してくだされば。いつまでも応援しています」とメッセージを寄せた。