ロシアのムフティ長がウクライナ戦争を正当化(海外通信・バチカン支局)

ロシアのイスラーム指導者であるタルガト・タジュディン・ムフティ長はこのほど、「ウクライナ戦争は、私たちの近くにいる(ウクライナ人の)ファシスト(右翼全体主義者)や寄生者が誰一人としていなくなるまで、継続されていかなければならない。彼らを駆除するためには、(伝染病の)ペストのように除虫剤だけでは不十分で、神が伝染病から私たちを解放してくださるように祈らなければならない」と発言し、ロシア軍によるウクライナ侵攻をイスラームの名によって正当化した。ローマ教皇庁外国宣教会(PIME)の国際通信社「アジアニュース」が7月11日に報じた。

さらに、タジュディン師は、「あなたの隣人が(ウクライナの)寄生虫や、愛国主義者、ネオナチ主義者の群衆に害され、また苦しみにあえぐドンバス地域(ウクライナのロシア人居住区)の住民が8年にもわたって流血と民族虐殺にさらされている時、私たちは黙認もできず、無関心であることもできない」とも訴えた。そして、ロシアを「偉大で、統一された、強大な国家」と呼び、欧米の伝統を「うそつきで嫉妬心の伝統」と非難した。

同師の発言を受け「アジアニュース」は、「ウクライナ戦争を通してロシアのイスラームと正教会が、いかに過激化しているかを知ることができる」と報道。その背景には、ウクライナに派兵されている多くのロシア軍兵士が、中央アジアや極東から来たムスリム(イスラーム教徒)であるという事実や、プーチン政権からイスラーム共同体に対して強い圧力があるのではと分析している。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)