各地でウクライナ避難民支援や平和を祈る取り組み 早期終結を願い、心を重ねて
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まり、4カ月以上が経った。いまだ激しい戦闘は続き、戦火によって命を落とす人、住む場所を追われる人が増えている。過酷な状況に置かれたウクライナの人々に思いを馳(は)せ、全国の立正佼成会各教会は戦争の早期終結を願い、祈願供養に取り組むとともに避難民への支援や平和を祈る活動を展開している。その中から、北九州支教区と中野、宇部両教会の活動を紹介する。
中野教会 届け『ウクライナの朝へ』 青年部員が毎日1通ずつ発信
中野教会は、ウクライナ情勢の平和的解決を願い、『ウクライナの朝へ』と題したメッセージを青年部員を中心に募り、同教会が開設したLINE(ライン)公式アカウントを通じて5月22日から配信している。戦時下にある同国の人々が、その日一日を平穏に暮らせるようにとの祈りを込め、ウクライナ時間の午前6時(日本時間の正午)に更新時刻を設定。100日間の発信に挑戦する。
『ウクライナの朝へ』は、青年部員らがGoogleフォームから送ったメッセージが、毎日1通ずつ同教会公式LINEで紹介される仕組みになっている。「毎日、ウクライナの平和を祈っています」「一人でも多くの人が笑顔になれますように」「安心して暮らせる世の中になりますように」といったメッセージが届いている。
この取り組みは、今年の「青年の日」の活動として開始された。当日に向けた実行委員会の席上、部員から「募金とは違った形で平和を祈念する心を表したい」「仲間と共に継続して祈りを捧げる場がほしい」といった意見が上がり、戦禍に苦しむウクライナの人々に平和への願いが届くよう、メッセージを発信することが決まった。
佐藤浩士教会長から「メッセージを書いている時間も、祈りを捧げていることにほかなりません。一人ひとりが呼びかけることで、菩薩行実践の機縁としてほしい」との助言を受け、東京・中野区から平和への取り組みを実践する日として、地域の宗教者と協同で開催した「いのちの尊さを祈る日」式典当日の5月22日に配信を開始した。
メッセージには少年部員も投稿。「ウクライナのお友だちが楽しく遊べる日が、早くもどってきますように」「仲良しが一番。私も友だちを大切にします」など、心のこもった言葉や、温かいタッチのイラストが寄せられている。
実行委員の青年婦人部副部長(38)は、「戦地に赴いた夫を案じる妻や、わが子と同年代の子供たちが戦争に巻き込まれる姿を目にすると心が痛み、居ても立ってもいられない気持ちになります。開祖さまなら平和のために何をされるかを考えながら、私にできる平和の取り組みをこれからも模索し、行動していきたい」と意気込みを語る。また、配信を担当する青年男子部長(37)は、「信仰者として、祈りの力を信じて、祈念し続けていきたい」と話した。