比叡山宗教サミット35周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」 開催概要を記者発表

サミットの開催から35周年となる今年は、『気候変動と宗教者の責務』をテーマに「集い」が開催される

比叡山宗教サミット35周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」(主催=同実行委員会)が8月4日に開催される。これに先立ち、6月27日、京都市内のホテルで記者発表が開かれた。

記者発表には、大樹孝啓名誉顧問(天台座主)、阿部昌宏実行委員長(天台宗宗務総長)、植松誠顧問(世界宗教者平和会議=WCRP/RfP=日本委員会理事長、日本聖公会前首座主教)、黒住宗道顧問(黒住教教主)、杉谷義純事務局顧問(天台宗妙法院門跡門主)、小林祖承事務局長(天台宗参務総務部長)と共に、副実行委員長を務める立正佼成会の國富敬二理事長が出席。席上、阿部実行委員長が概要を発表した。

1986年、当時のローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の呼びかけで、世界の宗教指導者がイタリア・アッシジに集い、「アッシジ平和祈願の日」が開催された。翌年、「宗教の原点である祈りを通して平和への誓いを新たにする」という「アッシジの精神」を継承するものとして、山田惠諦第二百五十三世天台座主の提唱により「比叡山宗教サミット」が開かれた。以来毎年、比叡山延暦寺に国内外の諸宗教者が集い、世界平和の祈りが捧げられてきた。

35周年を記念する今回のテーマは『気候変動と宗教者の責務』。当日は約400人の宗教者が参加する見込みとなっている。本会からは、WCRP/RfP日本委会長を務める庭野日鑛会長が、同実行委員会の顧問に就任したほか、和田惠久巳総務部部長、中村憲一郎京都教会長が実行委員を務めている。

8月4日午前、国立京都国際会館(京都市)で開会式典が行われ、一般財団法人日本総合研究所会長で多摩大学学長の寺島実郎氏が『歴史的大転換期における宗教―心の回復力(レジリエンス)を求めて―』をテーマに記念講演。続いて、薗田稔師(秩父神社宮司、京都大学名誉教授)、竹村牧男氏(WCRP/RfP日本委平和研究所所長、東洋大学名誉教授)、ジェームズ・バグワン師(メソジスト教会牧師、太平洋教会協議会=PCC=事務総長)、デスモンド・カーヒル氏(アジア宗教者平和会議=ACRP=実務議長、ロイヤルメルボルン工科大学名誉教授)をパネリストにシンポジウムが行われる。

午後には、天台宗総本山・比叡山延暦寺(滋賀・大津市)の一隅を照らす会館前特設広場を会場に、「世界平和祈りの式典」が執り行われる。

記者発表で阿部実行委員長は、今回の集いでは人類の喫緊の課題である気候変動問題を中心に、宗教者の果たすべき役割について叡智(えいち)を結集し、実践への道を切り開いていきたいと表明。「祈りと対話を原点として、平和のために歩んできたわれわれの営みを、少しでも未来につなげていこうではありませんか」と呼びかけた。

なお、集いの様子は、天台宗の特設ウェブサイト(https://www.tendai.or.jp/summit/)でライブ配信される予定だ。