本会一食平和基金 平成28年次運営報告を発表 国内外事業に2億2425万5883円を拠出

立正佼成会一食(いちじき)平和基金の平成28年次運営報告がこのほど、同運営委員会から発表された。支援総額は2億2425万5883円。同委が策定した中期運営方針(平成25~29年)に基づき、「貧困(飢餓)の解消」「教育・人材育成」「緊急救援・復興支援」を重点分野として国内外の事業に献金が役立てられた。

本会一食平和基金は、貧困や紛争など苦境に直面している人々の幸せを願い、月に数回の食事を抜き、その食費分を献金する「一食を捧げる運動」の浄財を活用している。

国連が発表した「持続可能な開発目標(SDGs)」の報告書によると、世界人口の8人に1人が、極度の貧困状態で十分に食べられず、深刻な栄養不良に陥っているという。こうした現状を受け、「貧困(飢餓)の解消」の分野では、ブータンで学齢期の子供たちが1日に必要なカロリーの60%以上を摂取できるよう、国連世界食糧計画(国連WFP)と合同で学校給食の事業を実施。栄養不足の改善と就学率の向上に取り組んだ。「アフリカへ毛布をおくる運動」では、毛布の輸送費を拠出。現地パートナー団体の協力で届けられた毛布は、過酷な環境で生きるアフリカの人々の命を守る役割を果たした。

貧困の根本的な解消を目指した「教育・人材育成」の分野では、紛争や対立で心に傷を負った子供たちに文房具やおもちゃなどをおくる「親子で取り組むゆめポッケ」を展開した。フィリピンのバターンキリスト教青年財団(BCYFI)と共に取り組む奨学金事業では、貧困家庭の学生38人に対し、大学進学の学費を支給した。

避難民キャンプでの物資配布の様子(写真提供・ジェン)

「緊急救援・復興支援」の分野では、NPO法人「ジェン」との協働により、アフガニスタンやイラクなどで衛生環境を改善する事業を支援した。現地の人々が事業の担い手となることで自立が促進された。

国内では、東日本大震災の被災者への継続的な支援を目的に、岩手、宮城、福島の3県で地域の復興に取り組む非営利団体に資金助成。国内外で発生した地震や豪雨などの被災者にも緊急支援を行った。

このほか、温かい社会づくりのため地域団体に資金を拠出する「一食地域貢献プロジェクト」、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が紛争に巻き込まれたシリア難民を救援する事業の支援などの取り組みに浄財が活用された。