「全国青少年教化協議会」の臨床仏教師認定式 大井東大名誉教授が『看取り医がブッダに学んだこと』をテーマに講演

公益財団法人「全国青少年教化協議会」の臨床仏教研究所による「第二期臨床仏教師認定式・記念講演会」が3月30日、港区の東京グランドホテルで行われた。臨床仏教師養成プログラムの受講生や同研究所の加盟教団の関係者など、80人が参加した。

「臨床仏教師」とは、養護施設や病院などで、「生老病死」の四苦をはじめとした苦しみを抱える人々に対し、話を聴きながら仏教精神に基づいて寄り添う仏教者をいう。当日は認定式の後、記念講演が行われ、『看取り医がブッダに学んだこと』をテーマに、臨床仏教研究所アドバイザーの大井玄・東京大学名誉教授が登壇した。

仏教徒である大井氏は冒頭、ブッダ(釈尊)が弟子のアーナンダに「老い朽ち、老衰し、自分の身体は革紐の助けによってもっている」と告げた仏伝を紹介。ブッダの言葉から、「老い」について考え、70歳から90歳ぐらいまでの老耄(ろうもう)に入った人たちとの交流や、つながりをつくる方法を学ぶようになったことを述懐した。臨床医として、終末期医療全般に関わる日々の診察に言及し、患者の隣に座り、背中をさすりながら話を聞くことで、老いの寂しさや、それに伴う苦しみに寄り添えると語った。