「一食ユニセフ募金」 コロナ禍の中で寄せられた浄財を贈呈 日本ユニセフ協会・早水専務理事に
全国の立正佼成会の青年部員らが家庭や街頭で取り組んだ「一食(いちじき)ユニセフ募金」の贈呈式が11月29日、法輪閣(東京・杉並区)で行われた。今年は1126万2120円が集まり、そこに「一食平和基金」(「一食を捧げる運動」の献金を財源)からの助成金を加え、総額3419万1000円が公益財団法人日本ユニセフ協会に贈られた。
当日は、本会本部を訪れた同協会の早水研専務理事に、國富敬二理事長が目録を贈呈。その返礼として、早水専務理事から感謝状が手渡された。贈呈式の後、懇談の場が設けられ、中村記子習学部部長と西由江習学部次長(青年ネットワークグループ)が同席した。
本会では今年も、『すべての人の未来を守りたい』をテーマに掲げ、年間を通じて同募金の活動を展開。今年の「青年の日」には、新型コロナウイルスの感染予防対策を施しながら街頭募金に取り組む教会もあった。また、感染予防のため大人数で集えない状況が続く中、各会員は毎月1日と15日の「一食を捧げる運動」に取り組んだほか、身近な人に運動の意義を伝えるなどの実践に励んだ。
浄財は、ユニセフが世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際委員会と連携して取り組む「内戦とエボラ出血熱で影響を受けた子どもの心のケア」(リベリア)、「エボラ出血熱の影響を受けた子どものケア」(シエラレオネ)の事業のほか、昨年から新たにミャンマーでスタートした「紛争の影響を受けた子どものケア」のプロジェクトに充当される。
贈呈式後の懇談では、ユニセフがWCRP/RfP国際委と進めるプロジェクトの進捗(しんちょく)や、同ウイルスの感染拡大で教育の機会を奪われた子どもたちの状況などが話題に上がった。この中で、早水専務理事が、ユニセフではかねてより宗教指導者と協働してきたが、とりわけ2010年以降、現場レベルでの連携が活発になってきたと紹介。WCRP/RfPの各国委員会である諸宗教評議会(IRC)と力を合わせることで、ユニセフの現地事務所はより確実に成果を上げられると強調し、「立正佼成会様から頂く支援はまさに、現場での連携を強固なものにし、子どもたちがより守られるために欠かせないものです」と、本会の長年の活動に謝意を表した。
これを受け、國富理事長は、同ウイルスの感染拡大の影響で、教会現場では依然として街頭募金の実施が難しい状況にあると説明。その上で、「道行く人の仏心を拝むという、仏教の仏性礼拝(らいはい)行に通じる街頭募金は、菩薩を育てる大事な活動です。それぞれの教会で工夫を凝らして今後も実践していきたい」と語った。