SDGsの取り組みたたえる「RKアワード」 受賞作決定 ウェブサイトで発表

「青年の日」ウェブサイトには、第1回「RKアワード」の各受賞作が紹介されている

国連が掲げる「持続可能な開発目標」(SDGs)達成に向け、立正佼成会の各教会やグループ、会員個人の創造的な取り組みを表彰する第1回「RKアワード」(主管・青年ネットワークグループ)の各受賞作が決まり、11月15日に「青年の日」ウェブサイトで発表された。RKアワードは、「青年の日」のコンセプトにSDGsの視点が加わったことを受け、家庭や地域などでの積極的な取り組みを奨励し、その報告を皆で共有して一人ひとりの学びや成長につなげてほしいとの願いからつくられた。「People=人間」「Prosperity=豊かさ」「Planet=地球」「Peace=平和」「Partnership=パートナーシップ」の五つの部門(五つのP部門)からなり、それぞれに賞が設けられている。

4月20日から7月31日までの応募期間中に教会や支部、青年部、会員などから取り組みの報告やエピソードが、「青年の日」ウェブサイトのタイムラインに寄せられた。46件のエントリーのうち、一次選考を通過した15件が、9月1日から30日まで同サイトの「RKアワード」のページに紹介され、一般投票を経て各部門の受賞作が決定した。

People部門で、「一枚の毛布をめぐる令和時代のワンアクション賞」を受賞したのは、金沢教会男子部長のやんさん(33)。『金沢からの大河の一滴』と題し、青年婦人部員のKさん(42)の「アフリカへ毛布をおくる運動」の取り組みを心温まるエピソードとして紹介した。

フリーマーケットのアプリで毛布を探していたKさんは、出品者の女性と連絡を取り合う中で同運動の趣旨や願いを伝えた。すると、女性は深く感銘を受け、無償で毛布を提供してくれた。理由を尋ねると、彼女は東日本大震災の被災者で、「たくさんの支援があったおかげで今の自分がいる。私も力になれれば」と打ち明けてくれたという。やんさんは、「Kさんの小さな行動が人を動かす力となり、教会に大きな感動が広がりました」と振り返る。

Prosperity部門で「W-happyな種まきで賞」に輝いたのは、『横浜教会婦人部発企画「ハッピーゲリラ」についての発表』(動画)。その発表には、青年婦人部で「ハッピーゲリラ(心をお届け隊)」を結成し、横浜普門館に保管していた食材を地域の子ども食堂などに提供した活動が報告されている。結成や活動のきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大で同教会が閉鎖になり、食堂の冷蔵庫に大量に残っていた食材の利用方法を婦人部員で協議したことだ。その後、包括地域にある12カ所の子ども食堂や福祉型障害児入所施設に連絡を取り、食材や食器類を届けた。今後は、教会全体の取り組みとして支援する予定だ。

Planet部門で「生活の知恵袋with SDGs賞」を受賞したのは、『府中教会×SDGs』(動画)。同青年部が投稿した動画には、SDGsの目標達成に向けた各人の取り組みが紹介されている。実行したごみの分別や無洗米の利用、ペットボトルの再利用などを説明し、日常生活に生かす情報を共有した。青年部長(39)は「これからも皆で励まし合い、身近な実践を続けます」と語る。

Peace部門では、『文京教会2021ゆめポッケ』が「願い込め、手作りの手紙渡します。会員さんから未会員さん、そして世界の子どもたちに想いが届きますように賞」に選ばれた。夏休み期間中に同教会会員の各家庭で進められた「親子で取り組むゆめポッケ」の様子を伝えたものだ。手作りのチラシなどで協力を呼びかけた様子も報告されている。

文京教会は、手作りのチラシを作成し、各家庭で進められた「親子で取り組むゆめポッケ」の様子を紹介(Peace部門)

Partnership部門では、中津川教会の「青年の日2021in中津川~SDGs実践動画~」が「中津川発信! みんなで決めた目標が家庭を飛び出し地域に広がり、世界の恵み 守ります賞」を受賞。「つくる責任つかう責任」「海の豊かさを守ろう」などSDGsの17の目標に沿った青年部員たちの身近な実践の様子が写真とともに紹介されている。

西由江習学部次長(青年ネットワークグループ)は、「RKアワードは、成果よりもむしろ、そこに至るプロセスの中で青年たちが何を考え、どう行動を起こし、そこにどのような物語が生まれたのかを分かち合い、たたえ合う取り組みです。一人ひとりがSDGsのゴールに向けて取り組む中で、貧困や差別、環境問題など世界の問題を自分事として捉えられるようになり、それをきっかけに地域や社会、世界の人とのつながりにも気づくことができ、新たな出会いが生まれています。受賞作には、そのことがよく表れていたと思います。今回の発表を通して、“私のSDGs”について、家族やサンガで語り合う機会が増えることを願っています」と話している。

◆第1回「RKアワード」結果発表ページ
https://www.kosei-kai.or.jp/youthday/rk-award-prs/