WCRP国際委元実務議長 レオニード・キシュコフスキー司祭が逝去 庭野会長が哀惜の意
世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際委員会の実務議長を務めた米国正教会(OCA)のレオニード・キシュコフスキー司祭が8月3日、ニューヨーク州グレンコーブで逝去された。78歳だった。訃報を受けた立正佼成会の庭野日鑛会長は13日、キシュコフスキー師の家族に宛て弔電を送った。
米国正教会の著名な指導者として知られるキシュコフスキー師は1943年、ナチス占領下のポーランド・ワルシャワに生まれた。両親と共にドイツに逃れた後、難民として米国に移住した。南カリフォルニア大学で政治学などを学び、卒業。その後、ニューヨーク州にある聖ウラジミール正教会神学校を卒業し、宣教活動に従事した。
ドイツでの生活や米国移住の経験から、諸宗教の協力の必要性を強く認識していたキシュコフスキー師は、全キリスト教会の一致を図るエキュメニカル活動、諸宗教対話・協力に尽力し、それらを推進する組織で要職を歴任した。WCRP/RfP国際委では99年から2006年まで国際会長、06年から13年まで実務議長、13年から19年まで名誉会長を務めた。
05年には、ウィリアム・ベンドレイ事務総長(当時)と本会を訪れ、庭野会長と懇談した。06年に京都で開催された第8回世界大会の開会式に登壇し、大会終了後に普門館で行われた同世界大会報告平和集会にはパネリストの一人として出席した。
キシュコフスキー師は生前、「あらゆる宗教の指導者が声を上げ、共に行動して道徳的権威を行使すれば、暴力的な紛争、難民の危機、極度の貧困といった問題に決定的な影響を与えることができる」と述べていた(同国際委ウェブサイト)。
弔電の中で庭野会長は、「穏やかで調和を重んずる友人を失い、誠に残念でなりません」と哀惜の意を表明。さまざまな会合で、諸宗教者の意見に耳を傾け、取りまとめることに誠心誠意努めていたキシュコフスキー師の姿を述懐し、世界平和の実現に向けたリーダーシップをたたえ、その遺徳を偲(しの)んだ。