ローマ教皇フランシスコが結腸手術のため入院(海外通信・バチカン支局)
バチカンのマテオ・ブルーニ報道官は7月4日午後(現地時間)、ローマ教皇フランシスコが「予定されていた結腸の手術を受けるために、ローマ市内のカトリック総合病院『ジェメッリ』に入院した」と発表し、手術後に執刀医のレポートが公表されると明かした。アルゼンチン出身の教皇にとって、即位以来、初の入院となる。
教皇が患う結腸の炎症を原因とする疾患(閉塞=へいそく=症状)は、高齢者に多い病気といわれる。イタリアのANSA通信は「悪性のものではない」と伝えている。
教皇は同日朝、バチカン広場での正午の祈りに臨み、「9月12日から15日にかけて、ハンガリーとスロバキアを訪問する」と述べていた。この先の予定を明かしたこと自体が、教皇の病は重体でないことを示すと受け取られている。
同日23時42分、バチカン記者室に教皇の手術後の容態を伝える声明文が届いた。「全身麻酔の手術を受けた教皇の容態は良好」と記され、手術の成功が伝えられた。
ブルーニ報道官は5日朝、新しい声明文を公表し、「教皇の容態は全体的に良く、意識があり、自身で呼吸している」と明らかにした。「手術には3時間を要し、後遺症が出なければ、病院での療養期間は7日前後」とも伝えている。
イスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」(エジプト・カイロ)のアハメド・タイエブ総長は5日、「私の兄弟であるフランシスコが、早期に回復して健康を取り戻し、人類のための奉仕を継続していくことができるように願う」とツイートした。両指導者は2019年、アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビで「人類の友愛に関する文書」に共に署名した。
教皇は6日朝、「朝食をとり、日刊紙に目を通し、室内を歩いた」(バチカン報道官)とのことだ。手術後の容態も「通常」で「検査結果も良好」という。7日の声明文では、教皇は回復しており、「点滴も必要がなくなった」と伝えられた。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)