ミャンマー人道支援の募金を実施 苦境にある隣人に思い寄せ WCRP日本委の緊急勧募に賛同

今年2月の軍事クーデター以降、ミャンマーでは社会の混乱が続き、その影響で日常生活にも危険が伴い、困窮度も増している。立正佼成会本部は先ごろ、厳しい状況下で暮らすミャンマーの人々への人道支援を目的とした募金の実施を決め、6月20日の「壮年(ダーナ)総会」の席上、庭野光祥次代会長が募金実施への願いを示した。今回の募金は、ミャンマーの宗教者と共に同国の平和の実現に取り組んできた世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の勧募の呼びかけに賛同したもの。現在、壮年部員たちの支援の輪が広がっている。

社会の混乱続くミャンマーへ 今、平和への祈りとともに

ミャンマーでは、今年2月1日に国軍がクーデターを起こし、政権を掌握した。これに対し、大勢の市民が街頭に出て民主化を訴え、不服従運動を展開し対抗したが、治安部隊が市民を弾圧。死者は800人を超え、犠牲は子供にも及んだ。

現在、大規模な市民の集まりは見られなくなったものの、さまざまな場所で市民の不服従運動は続いている。人々は暴力と恐怖におびえながら暮らしており、経済の停滞、食料不足、保健サービスの停止などによる社会の混乱が、市民生活に大きな影響を与えている。特にクーデター以前から貧しい生活を送っていた人や社会的に弱い立場にある市民の困窮は深刻だ。

こうした状況を受け、WCRP/RfPミャンマー委員会による民族対立の解消や平和構築の取り組みに協力してきた同日本委員会では、6月の理事会で、困窮する市民への人道支援募金の実施を決定。本会はこれに賛同し、恐怖と不安の中で暮らすミャンマーの人々への支援を決めた。

募金の実施期間は7月31日まで。現在、教会を通じて会員に協力を呼びかけている。

教団の和田惠久巳国際宗教協力専任部長(総務部副部長)は、「ミャンマーの人々は今、以前のように安全に道を歩けない、学校にも通えないといった状況にあります。経済活動も停滞しており、人々は食料が手に入りにくいと聞いています。そこに、新型コロナウイルス感染症の流行が追い打ちをかけています。こうした中で、元々生活が苦しかった人たちや社会的に弱い立場にある人々が、さらに厳しい状況に追い込まれています。会員の皆さまがミャンマーの人々の窮状を受けとめて、寄せてくださった浄財は、最も支援を必要とする人々に届けられる予定です」と話した。

光祥次代会長 現地の状況伝え、募金への願い示す

ミャンマー人道支援の募金は、6月20日に開催された「壮年総会」でも発表された。

総会の最後にあいさつした光祥次代会長は、政情不安が続くミャンマー情勢に言及。これまでWCRP/RfP国際委員会のメンバーと共に、ミャンマー国内の関係者と和解と平和に向けて話し合いを重ねてきたことを紹介した上で、今回、同国で軍事クーデターが発生し、軍の弾圧によって多くの市民が犠牲になっている状況に憂慮の念を示した。また、平和実現に尽くしてきた現地の諸宗教者たちが、身の危険を感じながら、不安な日々を送っている様子を伝えた。

6月20日に大聖堂で行われた「壮年総会」

その上で、当日のテーマに示された「私がとなりにいる。私のとなりにいる。」という言葉を踏まえつつ、「ミャンマーは、私たちから見れば遠い国かもしれません。でも、私はミャンマーの方々の“隣”にいたいと思います。佼成会から、少しでも支援をさせて頂きたいのです」と述べ、全国の壮年部員に支援への協力を呼びかけた。

ミャンマー支援の内容は、総会後に発行された全国の壮年部員向けの「壮年瓦版」にも掲載された。また、各教会を通して、壮年部員たちに伝えられている。

壮年総会実行委員会議長を務める文京教会壮年部長(57)は、「現地の方々は、言動が統制されるなど、厳しい状況に置かれていると思います。全国の壮年の皆さんと共に、今回の緊急勧募に協力させて頂きながら、“隣人”として現地の方々の苦しい思いに心を寄せていきたい」と話している。

◇MEMO
ミャンマー人道支援の募金について
【期間】7月31日まで
【送金先】個人で送金する場合は、各自で次の指定口座にご送金ください

みずほ銀行 第五集中支店 普通預金 2204250 リッショウコウセイカイ

教会や各部などで支援金を取りまとめて送金することもできます。詳しくは所属教会にお問い合わせください。

【次ページ:ミャンマーとWCRP】