WCRP日本委女性部会「宗教別学習会」 イスラームの教義など学ぶ

MWL日本支部代表のアルアンサリ博士(右)が講師を務め、イスラームの教義や実践を説明した。左は女性部会副部会長の河田師。(「Zoom」の画面)

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会女性部会の「宗教別学習会」が7月3日、オンラインで行われ、約50人が参加した。

同学習会は毎年、参画教団などを訪問して、教団の歴史や教義、平和に向けた取り組みを学び、相互理解を深めるもの。今年は新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて、初めてオンラインで開催され、一般にも公開された。

当日、参加者は、「ムスリム世界連盟」(MWL、本部・サウジアラビア)の日本支部代表を務めるアナス・ムハンマド・メレー・アルアンサリ博士を講師に、イスラームの教義や信仰実践などを学んだ。

この中で、アルアンサリ博士は、ムスリム(イスラーム教徒)は、宇宙の創造主に身を委ねることで内面的な平安が得られるように努めるとともに、その平安を周りの人に広める布教の役割も担っていると説明。その行いは、人々の恐怖心を取り除き、安心感を与える仏教の「施無畏(せむい)」にも通じると述べた。

また、ムスリムの実践義務である「信仰告白」「礼拝」「喜捨」「断食」「巡礼」の五行を解説。このうち、聖地マッカ(メッカ)への「巡礼」について、動画や写真を交えて説明した。コロナ禍における巡礼の感染対策も紹介した。

続いて、サウジアラビア・ジッダ在住のアルバンダリ・ビン・メレー・アルアンサリさんが、ムスリマ(女性ムスリム)としての心得や日々の生活のあり方などを紹介。全てのムスリムはイスラームの原則に沿って行動していると語り、中でも最も重要な原則の一つは、「怒りを抑え、暴力を絶対に避け、代わりに平和的な選択肢を選ぶこと」であると強調した。

この後、アルアンサリ博士と河田尚子・同女性部会副部会長(アル・アマーナ代表)が参加者からの質問に回答した。この中で、ラマダーン(断食月)には、断食を通して「食べ物に感謝を深める」「貧しい人の気持ちを理解する」「自分の体を清浄にする」といった意義があることを説明。日本では「聖戦」と訳されることが多い「ジハード」は本来、「努力」を意味し、ラマダーンはその実践の機会でもあると答えた。