立正佼成会一食平和基金 令和2年度運営報告 昨年度支援総額は3億2374万円

重点項目である貧困の撲滅に向け、学校給食を提供するWFPに浄財を寄託し、ミャンマーの子供たちに食事を届けた ©WFP

 「貧困(飢餓)の解消」「教育・人材育成」など9分野に

立正佼成会一食(いちじき)平和基金(委員長=熊野隆規教務部部長)の令和2年度の運営報告が先頃、同基金運営委員会から発表された。昨年度の支援総額は3億2374万8995円。同運営委による中期運営方針(2018年~23年)に基づき、「貧困(飢餓)の解消」「教育・人材育成」に重点を置いた9分野に活用された。

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同基金は、会員が貧困や紛争に苦しむ世界の人々の幸せを願い、月に数回の食事を抜いて食費分を献金する「一食を捧げる運動」の浄財で運営されている。昨年度は、本会が企画・立案から実施までを独自で行う「自主プロジェクト」をはじめ、国連機関やNGOなど外部の団体と共同して行う「合同プロジェクト」などの事業に資金を拠出。また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、「緊急救援・復興支援プロジェクト」の予算を追加計上し、緊急対応にあたる国内外のパートナー団体を支援した。

重点分野の「貧困(飢餓)の解消」では、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)の達成に向けた活動や事業をサポート。「アフリカへ毛布をおくる運動」、日本国際ボランティアセンター(JVC)による「農業・環境・地域開発事業」、国連世界食糧計画(国連WFP)の「ミャンマー学校給食プログラム」に計3573万4764円を拠出した。このうち、「農業・環境・地域開発事業」では、深刻な経済格差や気候変動の影響にあえぐラオスとカンボジアの農村で、住民が主体的に自然資源を生かした持続的な農業を推進できるようにサポートし、貧困の解消に寄与した。

こうした貧困の根本的な解消には教育が不可欠であることから、同運営委では「教育・人材育成」も重点項目とし、昨年度は7事業に計4799万3814円を拠出した。この中では、バターンキリスト教青年財団(BCYFI)と合同で、フィリピン・バターン州の青少年を対象に奨学金事業を展開。一食平和基金からの支援金は奨学生34人の学費や交通費に充てられた。さらに、教育環境の向上を目的に1985年に建設された「バターン図書館・青少年人材育成センター」(BLYDC)の移転費用にも活用され、昨年12月14日に現地で開所式が行われた。

NGO関係者がオンラインでつながり、社会課題解決に向けた学びや連携を深める「HAPIC2021」を実施(国際協力NGOセンター=JANIC=提供)

「緊急救援・復興支援」分野では、「一食地域貢献緊急支援プロジェクト」「国連支援」「庭野平和財団への寄託」「一食平和基金のパートナー団体への緊急支援」を実施し、新型コロナウイルスの感染拡大による被害にも対応した。この中で、「一食地域貢献緊急支援プロジェクト」では、参加を希望した86教会が浄財を使って、地域でコロナ禍の影響を受けて生活に困窮する人々のサポートや、感染症の拡大を防止する活動などに取り組む201団体を支援した。また、同分野では、東日本大震災の津波と原発事故で被災した福島県の人々を支援するため、復興に取り組む非営利組織にも助成。これらの取り組みに計1億3304万7744円を拠出した。

このほか、アフリカ・マラウイでは聖エジディオ共同体と合同で「HIV/エイズ事業、出生登録事業」を実施。HIV(エイズウイルス)の母子感染予防や、行政と連携した新生児の出生登録の推進をサポートし、人身売買や児童労働の抑止につなげている。「親子で取り組むゆめポッケ」では、令和元年度に作製されたゆめポッケ2万2539個の海外輸送費として浄財が活用された。

「一食を捧げる運動」ウェブサイト https://ichijiki.org/

「一食を捧げる運動」三つの精神

同悲 一食を抜くことによる空腹感を通して、貧困や紛争下の人々の苦しみを自分の痛みとします。

祈り 苦境にいる人々の平和を祈ります。また、自分自身のいのちを見つめ、平和な社会に少しでも役立ちたいという願いを高めます。

布施 節食した分を財的な支援として、困難な状況下にある人々の応援に役立てます。また、貪(むさぼ)りの心を振り返り、少欲知足の心を深めます。