上田教会 参拝予約システムがスタート コロナ禍の中でも教会参拝の機縁を
教会内が人で“密”にならずに、人との間隔が十分に保たれる環境で参拝できる工夫として、立正佼成会上田教会は昨年からデジタル技術を使った参拝予約の取り組みを始めた。会員の安全と送り出す家族の安心を考慮し、新型コロナウイルスの流行下でも教会参拝の機会をつくりたいとの願いからだ。教会から送られる「参拝予約システム」のURLに会員が各自でスマートフォンやタブレットでアクセスし、「一般参拝」「個人相談」「物品購入」といった目的と日時を選択する仕組みだ。デジタル機器を持たない会員や高齢の会員などへは、支部長や主任が予約をサポートする。午前9時から正午までを30分ずつに区切り、一つの枠に最大5人まで予約できる。
同教会では、昨年の「緊急事態宣言」の発出以降、支部長を中心に新たな活動スタイルを模索し続けた。無料通信アプリLINE(ライン)や動画共有サイトを布教に活用し情報を共有してきたが、スマートフォンやタブレットを持たない高齢の会員などはあまり参加できず、教会参拝を希望する声が高まっていた。
こうした要望を受け、西澤弘安教会長を中心に密を避けて参拝を可能にする方法を検討し、「参拝予約システム」を採用。パソコン操作に長(た)けた壮年部員の協力のもとICT(情報通信技術)チームが発足し、リクルートが提供する「Airリザーブ」という無料のウェブサービスを土台に、教会独自のシステムを作り上げた。
11月15日の「開祖さま生誕会」に合わせてシステムがスタート。事前に、支部ごとに主任対象の説明会が開かれ、生誕会当日から9日間を「参拝期間」と定め、各支部で参拝日を決めて予約が進められた。期間中、長野県でも感染者が急増したため7支部のうち3支部は12月に参拝を延期したが、土曜、日曜に割り当てられた青・壮年部員のほか、付き添いの家族を含め約500人が参拝することができた。
支部長のMさん(61)は、「安心が第一なので、予約する場合は必ず家族への相談と合意を原則としました。その結果、普段は教会に来られない家族と一緒に参拝される方も多く、手どりのご縁づくりにもなっています」と喜びを語った。
年末以降、全国で感染者が増えたため、システムの運用を休止していたが、地域の感染状況の推移を見ながら、2月15日の「涅槃会(ねはんえ)」に合わせて17日からの3日間、一般参拝の予約を受け付ける予定だ。ICTチームのIさん(40)は、「皆さんがスムーズに予約できるよう、システムの準備は万全にしておきたい」と意気込む。
支部会計のYさん(54)は、「教会には、機械が苦手な高齢の方も多いけれど、そうした方の声を大切にすることで、サンガが協力して予約参拝システムができました。コロナ禍でも菩薩行の機会を頂けています。私もデジタルは苦手ですが、若い方に倣って勉強し、地区のサンガとつながっていきたい」と話した。