六花の会が第3回オンライン仏教経営者塾を開催

マーケティングや商品開発を手がける大久保さんが講演(「Zoom」の画面)

仏教精神を生かした経営を目指す立正佼成会会員有志のネットワーク「六花(りっか)の会」が2月13日、第3回仏教経営者塾をオンラインで開催した。全国の経営者、個人事業主の会員91人が参加。当日は、『2021年の消費者の活動はどう変わるか? アフターコロナの日本経済を見据えて』と題し、マーケティングや商品開発などを手がける「SOCIALING LAB」代表の大久保惠司さん(65)が講演した。

大久保さんは、国内外の企業の戦略や消費者の動向などを基に今後の経済の見通しを発表。「持続可能な社会」への関心の高まりを受けて、最近はビジネスでも社会の課題に取り組み、それを企業の価値として押し出す傾向が高まっていると紹介した。消費者も、持続可能な社会に向けた取り組みを重視した企業の商品かを吟味した購入が増えていると語った。

また、物を「所有」するのではなく、一時的に「利用」するとの考えで商品を購入する消費者が増え、「いずれ売ることを前提に、買取相場などを見ながら買う」といった意識が一般化しつつあると述べた。こうした動きは、「買って、使って、捨てる」といった旧来のライフスタイルよりも環境負荷が少なく、持続可能な社会への関心の高まりとともに世の中で広がりを見せると指摘。実際に、フリマアプリを運営する「メルカリ」はそうした人々のニーズを追い風に急成長を遂げたと話した。

さらに、スウェーデンの家具メーカー「IKEA」は、環境負荷の低い素材を使用した商品を増やし、自社の中古家具の買い取りと販売を開始するなど、生産・販売・修復・再利用の流れを重視した「循環型ビジネス」への転換を図っていると説明した。

その上で大久保さんは、持続可能な社会に向けた取り組みは、より良い未来への貢献であるとともに、長期的には自社の利益や価値を高めるものと認識している経営者が多いと語り、「こうした世界の潮流は、六花の会が掲げる『利他の精神に基づいた経営』に一致している」と述べた。