ACRP主催 「女性・信仰・外交に関するアジア会合」に光祥次代会長が出席
信仰を持つ女性が社会や交渉の場で果たす役割について考える「女性・信仰・外交に関するアジア会合」(アジア宗教者平和会議=ACRP=主催)が10月23、24の両日、ウェブ会議システムを使って行われた。
テーマは『信仰を保ち、明日を変革する』。ACRPから根本信博事務総長と神谷昌道シニアアドバイザー、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会から理事を務める立正佼成会の庭野光祥次代会長、活動委員の和田惠久巳本会国際宗教協力専任部長、女性部会委員の松井ケティ清泉女子大学教授、伊藤高章上智大学教授が参加した。2日間で延べ約100人が視聴した。
11月10日から13日まで、ドイツ外務省やWCRP/RfP国際委員会などによる「女性・信仰・外交に関する会合」が、ドイツ・リンダウを拠点にオンラインで開催される。同国際委はこの会合を実りあるものとするため、世界に六つある地域委員会に事前会合の実施を要請。アジア会合はその一環として行われた。
2日間の会合では、「新型コロナウイルスの影響」「ジェンダー平等」「人身取引」「環境問題」「諸宗教教育」に関する五つの会議を実施。各国の宗教者が女性の視点を踏まえて現状と課題を報告した。
『ジェンダー平等、文化とケア』と題する会議では、伊藤教授が発表し、イタリアの政治哲学者であるロベルト・エスポジトの思想に触れながら、宗教の役割に言及。宗教は、世俗的な負担や義務が免除された存在であるため、「Immunity(免除、免責)」の語源であるラテン語の「Immunitas」(一部の人々の生活や意見、考えのみが守られた状態を指す)と考えられると説明した。しかし、宗教は本来、他者の痛みを理解し、寄り添い、苦しむ人々を救うことを目的にしており、「Community(共同体)」の語源である「Communitas」(人々が共により良い生活を目指していくという意)になる必要があると強調。「信仰者は声なき声や周縁化されている人々の声に気づく感覚を身に付けなければならない」と語った。