教えを伝え、共に悟りを 庭野会長「釈迦牟尼仏ご命日(布薩の日)」式典で法話
10月15日、大聖堂(東京・杉並区)で立正佼成会の「釈迦牟尼仏ご命日(布薩=ふさつ=の日)」式典が行われ、庭野日鑛会長が法話を述べた。式典の模様はインターネットで配信(会員限定)された。
式典では、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われ、中央学術研究所学術研究室の相ノ谷修通室長が体験説法に立ち、自らの信仰の歩みや新型コロナウイルス禍での経験を発表した。
この後、庭野会長が登壇した。法話の中で庭野会長は、コロナ禍で心配事や注意すべきことが多くなる中、日常生活で何をしていけば元気に生きていけるのかを、今年ほど考えたことはなかったと述懐。朝早く起きて愛読書を読み、それを続けることで元気に過ごせていると日々の習慣を紹介し、感動して身も心も清らかになるような愛読書を持ち、繰り返し読むことを推奨した。
また、太陽がなければ、あらゆるものは生きられないとして、人間は宇宙の「おはからい」によって、天地の力によって生かされていると説明。大自然は究めれば究めるほど奥が深く、その仕組みは不思議に満ち、たくさんの不思議によって成り立つ世界に人間は生かされているとを強調した。日本では古来、人々が朝早く太陽に向かって拝んでいたことに触れ、生かされている不思議さを知れば知るほど、人は「拝まざるを得ない」と述べ、いのちの有り難さを説いた。
その上で、コロナ禍で悲観的になりがちな今、そうした昔の習慣や伝統をよく振り返り、その意味合いをしっかり自分のものにすることが大事と説示。「コロナ禍の中にあって、お互いさまに元気に精進をさせて頂けるのも、有り難い仏さまのみ教えのおかげさまです。このみ教えを自分だけのものにすることなく、人さまにお伝えをし、自分も悟りを得、また人さまも悟りを得られるようにする『自行化他』が大事であり、それが私たちの菩薩行」と述べた。