本会の人権啓発テキスト『私たちの人権問題』 時代性、利便性を考慮し改訂

立正佼成会同和推進本部(本部長=澤田晃成総務部部長)はこのほど、人権啓発テキスト『私たちの人権問題』の改訂版を発刊した。同推進本部が今年発足40年を迎えたことを機に内容を見直し、時代性や利便性を考慮して再編。9月21日に全国各教会に発送された。

同テキストは、一人ひとりの「差別を容認するような心のあり方を根源的に変えること」が、差別や偏見をなくし、人々が支え合う平和な世界の実現につながるとの考えのもと、人権問題、特に部落差別問題(同和問題)への理解を深めることを目的に1993年に発刊された。全国の教会役員を中心に活用され、毎年、新任教会役員や本部新入職員の研修でも用いられている。

今回の改訂では、テキストの構成や内容は基本的に従来のものを踏襲しつつ、理解しやすいように要点をまとめた。一方、日本の条約批准や世界的に意識が高まっている状況を踏まえ、子供や障害者、外国人、LGBT(性的少数者)の人権について新たに解説を加えた。利便性を考慮し、サイズはB5判からA5判に変更された。

改訂版は、「人権について考えよう」「立正佼成会と人権問題」「宗教と差別」の3章で構成される。「人権について考えよう」では、人権の基本概念、国際的に人権思想が確立した背景、日本国憲法が定める基本的人権、世界人権宣言、国際人権規約の趣旨などを記述。国内外の人権問題として、法務省が掲げる「啓発活動強調事項」や公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本が示す子供や障害者、外国人、性的少数者の人権、部落差別など11項目について説明している。

「立正佼成会と人権問題」では、79年に米国プリンストンで開催された世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)の「第3回世界大会」における、日本の宗教者による差別発言への反省から、本会が同推進本部を発足させた経緯を紹介。庭野日敬開祖の著書『新釈法華三部経』などを基に法華経の平等観を示し、人権意識を高める内容になっている。

さらに、部落差別について項目を設け、いわれなき差別をなくすための宗教者、信仰者の責務などについて説明している。