アフガニスタンの洪水被害に一食平和基金から緊急支援 現地で活動するJENに寄託
立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会(委員長=熊野隆規教務部部長)は9月4日、アフガニスタン中部および東部の11州で発生した洪水被害に対し、200万円の緊急支援を決定した。浄財は現地で救援活動を行う認定NPO法人ジェン(JEN)に寄託される。
8月下旬、同国の首都カブール周辺で続いた集中豪雨により、隣接するパルワン州、カピサ州、ワルダク州など11州で河川が氾濫。濁流に乗って沿岸流域に大きな石や泥が押し寄せ、各地で建物が倒壊し、道路が寸断された。
被災地では、十分な機材がない中、住民が手作業でがれきや土砂を取り除き、行方不明者を捜索。泥のかき出し作業は今も続いており、親戚や友人宅に身を寄せる被災者もいるが、損害を受けた住居の一角で寝起きする人も多く、二次災害の危険が高まっている。広範囲で断水や停電が続いている。
現地調査に入ったJENの報告では、8月31日までに判明した死者は190人。家屋被害は全壊が1055棟、半壊が2960棟に上る。最も被害の大きかった同国東部パルワン州は、JENの協力で本会が15年以上にわたり「親子で取り組むゆめポッケ」で製作されたゆめポッケを配付してきた地域でもある。約400世帯が浸水や倒壊被害を受けており、ポッケを受け取った子供たちや家族の安否も危惧される。
また、新型コロナウイルスの感染拡大も深刻化。洪水被害を受けた被災地の中には、医療設備や衛生管理が不十分な地域もあり住民への感染拡大が懸念される。以前から経済的に困窮していた住民への生活支援も必要になっている。
こうした状況を受け、同運営委では「一食を捧げる運動」の浄財から支援金を拠出した。JENでは、パルワン州チャリカで被災した400世帯の中で特に困窮する住民を支援。これから訪れる冬に備え、シェルターや食糧、建設道具、暖房器具など越冬用の物資配布も予定している。