各家庭から世界の友に思いを寄せて 「親子で取り組むゆめポッケ」2020年のキャンペーン終了 (動画あり)
小中学生の平和活動として、紛争や迫害で傷ついた世界の子供たちに、手作りの袋におもちゃや文房具などを詰めておくる「親子で取り組むゆめポッケ」(立正佼成会青年ネットワークグループ主管)のキャンペーンが8月31日、終了した。
例年は6月1日からの期間中、各教会で学習会や発送式などが行われるが、今年は新型コロナウイルスの感染予防のため、家庭での取り組みに重点が置かれた。製作されたポッケは直接本部に送る方法も取られ、本部には全国から約2400個が寄せられた。
参加教会では対面での会話や人が集う活動ができない中、同運動のハンドブックを基にチラシを作成して配布したほか、LINE(ライン)公式アカウント「一食(いちじき)ニュース♡」に登録して世界の子供たちの声を共有するなど、さまざまな工夫を凝らした啓発活動が展開された。
高知教会は、休校や夏休みの短縮などで通常の生活を送れていない子供たちが元気を取り戻し、世界の“友達”に思いを寄せてほしいと、10年ぶりに「親子で取り組むゆめポッケ」への参加を決めた。学習会を開く代わりに、ポッケ作りの経験がある青年婦人部員や支部長らの協力を得て、小中学生のいる各家庭に電話やSNSで連絡し、作成したチラシもポスティングして趣旨や概要を伝えた。31組の親子が参加し、8月中旬には37個のポッケが集まった。
一人で10枚のメッセージカードを書き上げたHさん(12)は、「ポッケが渡される時、もしもカードが足りなくてもらえない子がいたら悲しいと思い、みんなに行き渡るようにたくさん書きました」と感想を話す。
また、掛川教会では、青年婦人部が中心となって声掛けが進められた。「一食を捧げる運動」のウェブサイトから支部青年婦人部長がそれぞれパンフレットをダウンロード。SNSで部員に送り、スマートフォンを持たない人には、その内容をメールやファクスで届けた。完成したゆめポッケの送り先など例年と違う点も多いため、参加者が迷わないよう電話で小まめに連絡を取り合った。
支部婦人部長のTさん(38)は部員11人に声を掛け、それぞれが子供とポッケ作りに取り組んだ。完成後は各家庭のご宝前に供えてご供養し、Tさんがまとめて本部に送った。Tさんは、「自粛生活では、何事にも不足を感じてしまいがちです。ゆめポッケの活動を通して、人のために尽くす喜びを感じました。自ら今、この時に幸せの種を見つけていく――その大切さも教えて頂きました」とかみしめる。
また今年は、大人数での梱包(こんぽう)作業や、子供たちが集合しての発送式は行わず、家庭で作られたポッケを本部に直接送る方法が取られた。本部には全国から約2400個が届いており、青年ネットワークグループのスタッフを中心に梱包作業が進められた。8月24日には事務庁舎で発送式が行われ、祈願文が奏上された後、第一陣として300個が海外輸送を手掛ける業者の倉庫に送られた。残りのポッケも9月18日に無事に発送された。