WCRP/RfP日本委のファシリテーター養成セミナー 『見方をかえる』テーマに

「平和と和解のためのファシリテーター養成セミナー」の第2回。写真はZoom(ズーム)画面から

「平和と和解のためのファシリテーター養成セミナー」(第2期)の第2回が9月12、13の両日、オンラインで開催された。世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会・和解の教育タスクフォースが主催し、46人が受講した。立正佼成会から、同タスクフォース運営委員の庭野光祥次代会長が出席した。

今回のテーマは『見方をかえる』。参加者は、国籍や民族などの異なる人々が互いの文化の違いを認めて共に生きていく「多文化共生」について学び、対立が生じている場合に関係性の中にある問題を多角的な視点で捉え、解決につなげるトレーニングに取り組んだ。

12日は、三つのセッションが行われた。二つのセッションで講師を務めた同タスクフォース運営委員の松井ケティ清泉女子大学教授は、多文化共生を実現していく上で、多様性を受け入れ、「他者は自分と違って当然」という前提に立つ重要性を強調。さまざまな人間関係の中で「違い」に直面した際、自らが所属する社会の常識や価値観、さらに主観で相手を判断せず、客観的な視点で相手を理解しようと努める必要があると話した。

松井教授

また、犯罪に対応する一つの考え方として、国が犯罪者を処罰するのではなく、被害者と加害者を含めた関係者が対話を重ね、被害者への侵害を明らかにし、加害者が自らの行為の責任を自覚して人々の回復と状況の改善を目指す「修復的正義」について説明。対話は二次被害が生じないよう周到に準備した場で行われ、当事者が集まって解決を図ることで、被害者の傷を癒やし、加害者が責任を果たすことで、再犯防止にもつながると解説した。この後、参加者は班ごとに、修復的正義の活用を試みるワークに臨んだ。

『諸宗教はニューノーマルをどのように受け止め、対応しているのか』をテーマに行われたセッションでは、同タスクフォース責任者の山本俊正・元関西学院大学教授、永尾教昭天理大学学長、河田尚子アル・アマーナ代表、川本貢市本会時務部部長が発言者として登場。新型コロナウイルス禍への諸宗教の対応や役割について語り合った。翌13日には、フィリピン・ミリアム大学のロレタ・カストロ平和教育センター長が講義した。