大聖堂で「盂蘭盆会」 庭野会長が法話 インターネットでライブ配信 (動画あり)

「盂蘭盆会」では光祥次代会長を導師に読経供養が行われた。新型コロナウイルスの感染を防ぐため会員は参集せず、式典の様子がインターネットでライブ配信された

先祖のみ霊(たま)に追善回向の誠を捧げ、先祖に感謝の念を深めるとともに、いのちのつながりをかみしめる立正佼成会の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が7月15日、大聖堂(東京・杉並区)で行われた。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため会員は参集せず、式典の様子が会員限定のインターネット動画でライブ配信された。法話に立った庭野日鑛会長は、分け隔てのない、仏のような大きな心を持つ人間になることを願って精進する大切さを説いた。

光祥次代会長が「回向文」を奏上

式典では、読経供養で「妙法蓮華経方便品」「法師品」「如来寿量品」「常不軽菩薩品」が読誦(どくじゅ)され、この中で、導師をつとめた庭野光祥次代会長が戒名を奉読。庭野会長の「回向文」を奏上し、焼香を行った。

続いて、庭野会長が登壇。焼香の後、法話を述べた。

庭野会長は法話で「盂蘭盆会」の意義に触れた後、人間は皆、仏の心を持っていると信じて精進する大切さを説いた

庭野会長は、「盂蘭盆」とは「逆さ吊(づ)りの苦しみ」を意味し、物事を正しく見ずに逆さまに考えて苦しむ衆生や、死後に苦しむ先祖を仏の教えによって救済するために行うのが盂蘭盆会であると説明。子供の頃、新潟・十日町市菅沼で体験した地域での「お盆」の諸行事や亡くなった人への供養の様子に触れ、楽しく、うれしい思い出として述懐した。

また、人間は本来、仏と同じ心を持っていると信じて精進するのが信仰、信心の活動であると明示。釈尊の心を体解(たいげ)した道元禅師が、他人を「他己(たこ)」と呼び、「他」をそのまま「己(おの)れ」と感じて他者の悲しみや喜びを己れのものとしたことや、「尽十方世界」(あらゆる世界)は自己の全身であると受けとめ、それが人間の本当の生活であると説いたことを紹介した。

その上で、「私たちも、『己れ』と『他人』を分け隔てるのではなく、全てが自分自身の問題なのだという大きな心、大きな精神を持った人間に成長する、あるいはそれを信じて精進をしていく、という信心の生活、信仰の生活を、今させて頂いているわけです。仏さまやいろいろな聖なる方々の言葉を通して、そういう心になれるように、お互いさまに信仰活動、信仰の精神を忘れないで、精進をしてまいりたい」と語り掛けた。

さらに、朝の時間を活用し、読書などを通して物事をしっかり学ぶことが大切と強調。毎朝、人間のいのちの根源である太陽を拝み、一日の無事を祈る尊さにも触れ、「朝のひとときを大事にしていくことが、一日を大事にする、そして一生を大事にすることにつながっていく」と述べた。

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