仏教精神を生かす「六花の会」が代表世話人会 新型コロナの影響を話し合う
仏教精神を経営に生かすための立正佼成会会員によるネットワーク「六花(りっか)の会」の代表世話人会の会合が6月13日、ウェブ会議システムを使って実施された。各地で行われている「仏教経営者塾」の代表者、教団役職者ら28人が参加した。
新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が停滞し、多くの企業や個人事業主が厳しい経営環境にある。参加者からは現状が伝えられ、共に乗り切るため情報交換の必要性や協力の重要性などが示され、今後の活動について意見が交わされた。
代表世話人会は昨年発足し、最初の会合は一堂に会して行われたが、今回は感染防止のためウェブ会議での開催となった。当日は、同会顧問の國富敬二理事長がコーディネーターを務め、代表世話人が各地の経営者の現状を発表した。
この中で、政府や首長による外出自粛の呼び掛けや、出入国規制による外国人観光客の減少などで、飲食業、観光業で売り上げの落ち込みが激しいことが報告された。江東教会の会員が経営する居酒屋は、営業自粛によって今年4月の売り上げが前年同月比で8割減となった。同じく居酒屋を営む北教会会員は、以前のにぎわいを取り戻すことが難しく、先の見通しが立たないため閉店を決断したという。食品を扱い、人が集うことで利益を上げてきた飲食店の経営の悪化は深刻だ。
一方、社会の変化に対応し、業績を伸ばした事例も紹介された。イベントの企画・運営を行う会社向けに音響機器の輸入販売を手がける会社を埼玉県で営む会員は、イベントが軒並み中止になる中で医療機器の輸入販売を始め活路を見いだした。都内で旅行業を経営する北教会の会員は、本業を縮小し、代わりにパン屋を開業し、売り上げを伸ばしている。