5月は「一食啓発月間」 それぞれの生活で実践重ね
「一食啓発月間」にあたり 本会一食平和基金運営委員会委員長 熊野隆規
日頃より、「一食を捧げる運動」にご協力頂き、誠にありがとうございます。毎年5月は、「一食を捧げる運動」の啓発月間として、皆さまと推進に取り組ませて頂いています。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世の中全体が緊迫し、閉塞感(へいそくかん)に包まれていますが、こうした時だからこそ、運動に込められた精神をかみしめ、「世界のみんなが幸せになってほしい」という祈りを深めていくため、今年も実施させて頂くことにしました。
今は、感染防止のため、人と集まることや対面で話すことを避けなければならない状況です。「ステイホーム」の呼び掛けに応えて、ほとんどの人ができるだけ家で過ごしながら、世の中の動向を凝視し、自分自身の生活のあり方に考えを巡らしていることでしょう。この間、世界の現状に胸を痛め、いのちの尊さを重く受けとめ、平和への願いを新たにされた方も多いと思います。
誰一人取り残されない世界にしていくために、私たち一人ひとりが簡素で清貧な暮らしを志向しながら、皆で幸せを分かち合う――人間として意義のある生き方を模索していくことが大切です。その意味で、「一食を捧げる運動」は、まさに人としての「個」の力を鍛える、静かで確かな行であると感じます。
月に数回、一食(いっしょく)を抜いて、その食費分を献金することを通して、地球上の人々と心の面でつながり、祈りを捧げるこの運動は、「いつでも、どこでも、誰にでも、そしていつまでも」できるものです。
人と触れ合うことができない状況ですが、一人ひとりの志が異体同心として結集して“無形の密”となり、その「愛とまごころの交流」が、これからの地球を包み込むと信じています。