5月は「一食啓発月間」 それぞれの生活で実践重ね

世界平和の祈りを込め、月に数回、食事を抜き、食費分を献金する。その浄財は支援に生かされ、世界の人々と幸福を分かち合う(写真はミャンマーの子供たち)

「一食(いちじき)を捧げる運動」(一食運動)のさらなる推進を目指す「一食啓発月間」が、今年も5月1日にスタートした。「一食運動」は立正佼成会の平和活動の柱の一つで、今年で46年目を迎えた。現在、新型コロナウイルスの感染防止のため、本会の多くの活動が中止となる中、個人で行える取り組みとして、それぞれで実践されている。

同1日には運動のウェブサイトもリニューアルされた。啓発月間を迎え、同運動の概要や理念、新サイトの内容とともに、立正佼成会一食平和基金運営委員会の熊野隆規委員長(教務部部長)の談話を紹介する。

新型コロナウイルスの感染が広がる中でも

「一食を捧げる運動」は1975年に「節食運動」としてスタートした。会員は月に数回、自ら食事を抜き、食費分を献金する。世界の各地で貧困や紛争にあえぐ人々の空腹のつらさを自分の痛みとし、世界平和の祈りを込めて実践する、「同悲・祈り・布施」の仏教精神に基づく取り組みだ。人類は「大いなる一つのいのちに生かされた兄弟姉妹」であるという「一乗」の精神を養うことにもつながる。献金による浄財は、世界の貧困の解消や人道支援、自然災害の救援などに充てられ、これまでの拠出総額は149億円を超える。

2008年からは、5月を「一食啓発月間」と定め、運動の推進に努めている。例年、各教会では、「一食運動」の理念や精神、浄財の使途を紹介する時間や学習会が持たれ、市民にも運動への参加が呼び掛けられてきた。今年は新型コロナウイルスの影響で教会は閉鎖され、人が集う活動はできなくなっているが、「一食運動」の実践はそれぞれの生活の中でできるため、今年も啓発月間を設け、実践を通して平和への祈りを深めていくことになった。

「一食運動」のウェブサイトがリニューアル

1日、推進の一環として「一食運動」のウェブサイトが刷新された。

5月1日に一新された「一食を捧げる運動」のウェブサイト

新しいサイトでは、閲覧者が必要な情報に容易にアクセスできるようにページの階層を整理。スマートフォンでの利用をしやすくした。

トップページには、支援事業を伝えるスライド写真とともに、『世界が平和になりますように 人のことを思いやる人がふえますように まず私からやさしくなります』という「祈りのことば」が分割で表示される。その右上に「一食を捧げる運動とは」「一食タウン」「活動をする」「事業を知る」「ブログ」「一食推進」のメニューを配置(スマートフォンサイトではアコーディオンメニュー)。運動の概要や願い、各年度の支援分野別の拠出金額、「親子で取り組むゆめポッケ」といった関連活動、世界各地での支援事業、LINE(ライン)公式アカウントなどの情報を詳しく知ることができる。これらのメニューは下にスクロールしても、別のページに移動しても常に画面に表示されており、利便性を高めた。このほか、トップページには「更新情報」と「コンテンツ」「献金の仕方」が置かれた。

同基金事務局スタッフは、「『一食運動』は、その実践を通して世界で困難な環境にある人とつながり、共に未来をつくっていくものです。ウェブサイトでは浄財の使途を詳しく知ることができます。誇りをもって実践される一助になることを願っています」と語る。

「一食を捧げる運動」ウェブサイト
https://www.ichijiki.org/

【次ページ:熊野委員長の談話】