「神は赦されるが、地球は赦さない――ローマ教皇フランシスコ」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

バチカン宮殿から世界に中継された一般謁見で、「ア-スデイ」についてスピーチするローマ教皇フランシスコ(写真=バチカンメディア提供)

神は赦されるが、地球は赦さない――ローマ教皇フランシスコ

ローマ教皇フランシスコは4月22日、バチカン宮殿の教皇専用書斎から世界に中継された一般謁見(えっけん)の席上、「第50回アースデイ(地球の日)」についてスピーチした。

「アースデイ」は、地球環境について考える記念日。1970年に米国で提唱され、2009年の国連総会で採択された。教皇はスピーチの冒頭、「悲劇的」との言葉を使って新型コロナウイルスの世界的流行に触れ、「最も弱い立場の人々を共に支えることによってのみ、この世界的規模の挑戦に打ち勝つことができる」と強調。自身が公布した回勅「ラウダート・シ」には、「皆の共通の家(地球)を保全する」という副題が付いていることに言及し、「私たちは、この共通の家で生きる一つの家族として、神によって生み出された他の被造物と共に生物の多様性の中に生きている」という考えを示した。

また、「神の似姿」として創造された人間は全ての被造物を保全し、慈しみ、「私たちの兄弟姉妹、特に最も弱い人々に対して愛と慈悲の実践をするよう誘(いざな)われていた」と説いた。だが、実際には利己主義によって自然環境を壊し、資源を大量消費し、人類を含むあらゆる生命を危機に陥れていると指摘。こうした人間の行いに対処するため、環境保全に向けて「人々の意識が覚醒するよう呼び掛けるさまざまな国際的、地域的な運動が生まれていった」と解説した。

その上で、多様な市民活動による自然環境保全の取り組みを称賛。「(彼らは、)これからも私たちを支える自然環境を破壊するならば、私たちに未来はないということを教えてくれる存在であり、さらに必要になる」と語った。

加えて、「私たち(人類)は、地球、隣人、究極的には創造主である神に対して罪を犯した」と明示。「神は常に赦(ゆる)される。人はある時は赦し、ある時は赦さない。大地は決して赦さない」というスペイン語でよく使われる格言を引用しながら、「私たちが地球を荒廃させれば、地球は厳しく反応してくる」と警告した。

さらに、「どうしたら、地球と人類の間に調和を取り戻すことができるか」という問いを立て、信仰者にとって自然とは(神による)“創造の福音書”であり、地球を「神の家」と受けとめ、「私たちは聖なる地で生活している」という意識を確立する必要があると説示。「(人類は)相互に関係し支え合う家族であり、共通の家を脅威から守るためには、そうした共通認識に基づく対処が必要」と訴えた。

最後に、環境保全に向けた国家や地域での協働の取り組みを奨励し、草の根レベルから生まれる市民運動や一人ひとりの取り組みが、「社会に善を広げる」と述べた。

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