困難抱え生きる人の痛みに寄り添う 「シェアハウスこうじゅ(関西光澍館)」でシンポジウム

シェアハウスこうじゅの開所を記念するシンポジウム。事業に携わる団体の代表者らが孤立する人々の現状や支援活動の展望を語った

共同住宅「シェアハウスこうじゅ(関西光澍館)」が2月1日、立正佼成会豊中教会の敷地内に開所したのを記念し、同7日、「社会的孤立者に対する宗教者の伴走型支援活動」に関するシンポジウムが大阪市の金光教大阪センターで行われた。

格差が広がり、孤立深める人が増加

「シェアハウスこうじゅ(関西光澍館)」は、生活困窮者の自立支援団体、宗教者、研究者らが協働し、困難を抱えながら孤立状態にある人の生活再建を支援する施設。住まいがなく困窮している人に加え、ひきこもり状態に陥る可能性が高い一人暮らしの人などを入居対象にしている。この共同住宅には生活支援員が置かれ、必要に応じて金銭や服薬の管理、通院の同行、福祉サービスを利用する際のサポート、見守りといった支援が行われる。

今回のシンポジウムは、事業運営を監督する関西光澍館運営協議会(本会を含む4団体で構成)に加盟する「支縁のまちネットワーク」が主催した。本会から相ノ谷修通・中央学術研究所学術研究室室長がパネリストとして出席した。

21世紀に入り、国内では、効率や生産性が重視される競争社会の中で、非正規雇用が増加するとともに、「自己責任論」によって低賃金労働者などが「敗者」として切り捨てられ、社会から孤立する人が増えている。今回のシンポジウムは、こうした状況を踏まえ、生活困窮者の自立支援団体、宗教者、研究者らが協働する共同住宅による支援事業の可能性について考えるため、行われた。

シェアハウスこうじゅを運営する一般社団法人・大阪希望館の岡本友晴代表理事、同協議会に参画する一般社団法人・支縁のまち羽曳野希望館の渡辺順一代表(金光教羽曳野教会教会長)、相ノ谷室長がパネリストとして出席。関西大学の宮本要太郎教授(支縁のまちネットワーク共同代表)が司会を務めた。

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