涅槃会 釈尊の教え、深く胸に

「涅槃会」の法話に立った庭野会長は、釈尊の教えは人間の苦を滅するためのものであり、いつも心が安らかであるかどうかを自分に問い掛けることが大切と述べた

庭野会長が法話 心を安らかにするのが宗教の役割

この後、法話に立った庭野会長は、「釈尊はどうしたら人間の苦しみをなくせるかということに真剣に取り組まれた」と述べ、釈尊が説いた「四諦(したい)」(苦諦・集諦=しったい=・滅諦・道諦)について解説。苦の本質は執着であると悟り、執着から離れることで苦が滅するとした上で、釈尊の教えを自らにあてはめ、実践する大切さを示した。

また、江戸時代の儒学者である佐藤一斎の「人は当(まさ)に自ら吾(わ)が心を礼拝(らいはい)し、自ら安否を問うべし」(人は常に自分の心を尊び、拝み、その心が安らかであるか否かを尋ねるべきである)との言葉を引用。仏教でも安心立命を説いていることに触れ、心を安らかにするのが宗教の役割であると強調した。

さらに、学べば学ぶほど、人間や大自然は本当に不思議で神秘な存在であるとの思いを強くしていると明言。人間が住む社会をはじめ地球、宇宙などすべてが一つの大きな経典であり、その大経典から人間は多くのことを教えられているとして、「涅槃会を通してそうしたことをしっかりと学び、今後の精進に結びつけていくことが大事」と述べた。