WCRP/RfP日本委がカラム氏の来日に合わせ会合 国連、NGOとの連携をさらに
世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会はWCRP/RfP国際委員会事務総長に就任するアッザ・カラム教授の来日に合わせ、1月30日に国連関係者やNGOの代表者を招き、東京・渋谷区のフォレストテラス明治神宮で「平和に向けた諸宗教と国連/諸団体のパートナーシップ」会合を開催した。国連やNGOの代表ら47人が出席した。
当日は、開会挨拶の中でカラム氏が、国連機関の75%が宗教組織や関連機関と協力関係にあるにもかかわらず、宗教組織についての理解が進んでいない状況を指摘。国連職員として諸宗教組織と協力関係を築いてきた経験を踏まえ、「良いパートナーシップは相手を知るところから始まる」と語り、宗教組織への理解を求めた。
また、世界人口の8割以上が信仰を持ち、宗教は草の根から政治レベルにまで大きな影響を与えていると説明。平和の実現に向け、「(国連機関と宗教組織の)お互いが持つ能力をより効果的に発揮するため、さらなる友好関係を構築していくことが重要」と述べた。
この後、参加者を代表して8人が発言した。公益財団法人日本ユニセフ協会の早水研専務理事は、全ての子供の権利を守ることが大人に課せられた責任と指摘。その取り組みを進めていく上で、同協会は宗教界と長く連携してきたと説明し、「誰一人取り残さない世界を目指し、今後も宗教界の皆さまと共に取り組んでいきたい」と語った。
国連世界食糧計画(国連WFP)アジア地域事務所の大室直子民間連携担当マネージャーは、80カ国以上で行う食料配布を通じた支援活動に言及。WFPだけでは支援が行き届かない地域でも、宗教コミュニティーと協力することで食料配布が可能になるとし、さらなる連携に期待を寄せた。
また、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲国際運営委員(ピースボート共同代表)は、核不拡散条約(NPT)再検討会議が行われる今年は「軍縮に向けた重要な年」と強調。核兵器禁止条約の発効に向け、さらに協力を強めたいと述べた。