「言動の差を縮めよ――ローマ教皇フランシスコがCOP25にメッセージ」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

教皇フランシスコとタイエブ総長による合同親書が12月4日、グテーレス国連事務総長に手渡された(写真提供=バチカン記者室)

ローマ教皇フランシスコとアハメド・タイエブ総長が国連事務総長宛てに合同親書

「人類の友愛高等委員会」のメンバーが12月4日にアントニオ・グテーレス国連事務総長と面会し、ローマ教皇フランシスコとイスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」(エジプト・カイロ)のアハメド・タイエブ総長の合同親書を手渡した。バチカン諸宗教対話評議会が5日、公表した。

同高等委員会は、「人類の友愛に関する文書」に記された精神を世界に広く伝え、その実現を果たすために創設されたもの。委員長のミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット枢機卿(同評議会議長)、副委員長のモハメド・マフムード・アブデル・サラム判事(アズハル総長顧問)とメンバー(キリスト教、イスラーム、ユダヤ教)で構成される。

グテーレス事務総長に手渡した合同親書は、教皇とタイエブ総長がアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで「人類の友愛に関する文書」に署名した2月4日を「国連人類友愛世界の日」と定めることを提案。またバチカンとアズハルが共に企画する「人類友愛に関する世界サミット会議」への国連の参加を要請している。

バチカンの発表によると、グテーレス事務総長は人類全体への奉仕の重要性を指摘しながら、このイニシアチブに対する評価と協力を表明。さらに、同事務総長がジェノサイド(集団虐殺)防止に関する国連特別アドバイザーのアダマ・ディエン氏を、バチカンとアズハルから提案されたこのイニシアチブに関する担当官に任命した。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)