ACRP主催「アフガニスタン・ピースアクション」講演会 現地NGO代表が平和活動について語る

アジア宗教者平和会議(ACRP)主催の「アフガニスタン・ピースアクション」講演会(共催・日本国際ボランティアセンター=JVC)が11月20日、立正佼成会の第二団参会館(東京・杉並区)で行われた。宗教者をはじめNPO関係者、市民57人が参加した。

アフガニスタンでは東部のジャララバードを中心に、米軍・アフガニスタン政府軍、反政府勢力「タリバン」、「イスラーム国」(IS)を名乗る過激派組織の三つどもえの戦闘状態が続き、政情は安定せず、暴力による支配が蔓延(まんえん)している。同講演会は、こうした国情を伝えるとともに、現地NGOの活動報告を通して平和の実現に向けて共に考え、行動していくことを目的に開かれた。

当日は、現地で平和活動を行うNGO団体「Your Voice Organization」(YVO)のサビルラ・メムラワル代表が二部構成で講演を行った。メムラワル氏はJVCの現地スタッフとして人道支援活動にあたった後、今年4月にYVOを設立し、ナンガルハル県クズクナール郡を中心に活動を続けている。

YVOのメムラワル代表

第一部でメムラワル氏は、日々、戦闘が続く中で、子供たちが「兵士になりたい」「父親の復讐(ふくしゅう)をする」などと口にするのを聞き、「憎しみのサイクルを断ち切らないといけない」と決意した心境を述懐。小冊子を作って学校や病院などで配り、暴力によらない問題解決の大切さなどを伝えていると語った。また、周辺地域の住民をクズクナールに招いてワークショップを開き、平和教育を通じて各地域の治安の安定に努めていると述べた。

続く第二部では、メムラワル氏が自身の半生に触れ、幼少期に内戦の影響で難民としてパキスタンに移住した体験や、一度、兵士を志したものの、友人の誘いでJVCの活動に参加するようになった経緯などを振り返った。それらの体験を基に、子供たちの心を育むには家庭教育が重要と強調。平和の大切さや他者を思いやる心は、「家庭で子供の時に学ばなければいけない」と指摘し、幼い頃から親子で平和について考えることが、将来、紛争の解決や地域の情勢安定にもつながると語った。