台風19号被害 被災した会員に寄り添い、支援続く

被災地では、浸水した家屋から出された家財道具が道端に並ぶ(写真は福島・郡山市=本部提供)

大型の台風19号が、10月12日から13日にかけて日本列島を通過してから約2週間が経過した。被災地域を包括する立正佼成会の各教会では現在、会員同士の支援による被災した家屋の清掃、家財道具の撤去などが引き続き進められている。一方、25日には、台風21号の影響による大雨が再び千葉県や福島県などを襲い、各地で河川の氾濫や土砂崩れが発生した。被災地を包括する教会では、会員の安否と被害状況の確認などが行われている。

強い勢力を保ったまま日本列島に上陸した台風19号は、東日本の広い地域で記録的な大雨をもたらし、河川の氾濫や土砂崩れを引き起こすなど甚大な被害を発生させた。被災地を包括する教会では、台風が通過した直後から会員の安否確認にあたった。さらに各家庭への連絡や訪問を重ね、刻々と変化するニーズを丁寧に聞き取り、要請に応じて支援活動を行っている。

長野、長野中央の両教会では、15日から中部教区の会員らが現地に入り、床上浸水した会員宅で泥のかき出しなどの支援活動を行ってきた。両教会では、人手を必要とする被災会員宅の片付けがおおむね終わった。今後は、被災した会員のニーズを改めて確認し、教会内で支援活動を展開する予定だ。

福島教会では、大規模な災害が発生した本宮市、伊達市などを包括する支部の支部長や主任が中心となり、被災した会員宅を繰り返し訪れて状況を確認している。先方からの要望に応え、サンガ(教えの仲間)が会員宅を訪れ、家具の運び出しや廃棄物処理場への運搬などを行っている。

郡山教会の包括地域でも河川が氾濫し、多くの家屋が浸水した。現地では輸送用の車が不足しており、教会の要請に応じ24日に軽トラック1台が本部から届けられた。こうした中、会員たちの心身の疲労も大きくなっている。同教会では、一人ひとりを大切にする姿勢を皆で確認し合い、手どりを通した寄り添いに力を注いでいる。

穴澤啓衣郡山教会長は、「被災した方々は、厳しい生活状況にあってもサンガの支えに感謝され、苦の中に一点の『明かり』を見いだそうと努力しておられます。ふさぎ込んでいた方もおられましたが、触れ合いによって心を持ち直し、中断していた片付けを再開されています。骨身を惜しまず、支援活動してくださる会員さんのおかげです。皆さんの深い信仰に心を打たれます」と語った。

小山教会でも、河川の氾濫により大きな浸水被害に見舞われた栃木市で、被災した会員宅へのサポートが続けられている。

被災地に再び大雨

大雨に見舞われた千葉・茂原市の農地や住宅地=10月26日(©朝日新聞社/時事通信フォト)

一方、10月25日、関東の東海上を通過した台風21号による大雨が再び千葉県や福島県などを襲い、各地で河川の氾濫や土砂崩れが発生した。本部教務部によると、特に被害の大きかった地域を包括する市原、佐倉、茂原、平、原町などの教会では、支部長らが中心となって会員の安否と被害状況を確認。この雨で館山教会千倉道場や各地の会員宅で浸水被害が報告されている。各教会では、サンガの協力により、被災した会員宅の片付けなどの支援活動が展開されている。

本部教務部では今後も、各教会と連絡を取り合って状況の確認に努め、要請に応じた支援を素早く実行できるよう準備を進めていく。