『日本のこころと宗教の役割』をテーマに第16回奈良県宗教者フォーラム 庭野会長が基調講演

諸宗教者を前に講演する庭野会長。「和」の実現は、「神仏のお告げ」であり、宗教者の役割と述べた

『日本のこころと宗教の役割』をテーマに第16回奈良県宗教者フォーラム(主催・同実行委員会)が9月27日、橿原(かしはら)市にある立正佼成会奈良教会で開催された。奈良県と橿原市が後援した。当日は、29の宗教・宗派の宗教者をはじめ各教団の信徒ら130人が参集。『「和」の心を現代に』と題し、庭野日鑛会長が基調講演を行った。

フォーラムでは冒頭、本会の儀礼儀式により平和祈願法要が執り行われた。実行委員長である本会の中村浩士奈良教会長が開会あいさつに立ち、今回のテーマに込められたフォーラムの趣旨を説明。来賓を代表し、荒井正吾同県知事、森下豊同市長があいさつした。

荒井知事(左)と森下市長

続いて、庭野会長が『「和」の心を現代に』をテーマに基調講演を行った。庭野会長は、「和」という精神は、あらゆる宗教に共通する普遍的価値であり、「『和』の実現は、神仏のお告げである」との考えを示しながら、「一切の生きとし生けるものが、真に和合して生きることを願っておられます。この神仏の願いを現代に実現していけるよう、たゆまず努力、精進していくのが、私たち宗教者の役割であると思います」と述べた。

その上で、「『和』の心とは何か」「『和』を実現するための行動」「『和』の心を育む人づくり」について話を進めた。

この中で、「和」とは、限られた集団の中だけで通用するものであってはならず、どの人に対しても常に開かれ、成り立つものでなければならないと強調。加えて、「自分の考えを持たずに人任せにする」といった姿勢では、真の「和」を築くことはできないとし、精神的に自立し、知見を深め、宗教の智慧(ちえ)に順(したが)うことが不可欠であると示した。

こうした考えの根底には仏教の「一乗」の精神があり、本会ではその精神を「人は本来、皆一つの乗り物(母なる水の惑星・地球)の同乗者なのだから、心をおおらかに、互いを認め合い、協力し合おう」と表現し、各人が目標に取り組んでいることを紹介した。