難民の「故郷の味」を大聖堂で提供 本会一食平和基金事務局が企画

エチオピアの郷土料理をアレンジした「ドロワット風カレー」。メニューの導入は、難民の食文化を知り、関心を持つ機会になる

6月5日、立正佼成会の大聖堂2階食堂(東京・杉並区)のランチメニューにエチオピアの郷土料理をアレンジした「ドロワット風カレー」が登場した。

これは、日本に逃れてきた難民の「故郷の味」に触れ、彼らが直面する問題への関心を高めてもらいたいとの願いのもと、本会一食(いちじき)平和基金事務局が企画したもの。「世界難民の日」(6月20日)にちなんで行われた。ドロワット風カレーは、500円で限定20食。13日に続き、20日にも同様に販売される。

「難民『故郷の味』」のメニューの導入は、同基金が支援する認定NPO法人「難民支援協会」(JAR)が発刊したレシピ本を参考に、食堂運営の委託を受けた立花産業の協力を得て4月から進められてきた。5日には、JARの活動のほか、日本の難民申請者数や先進国の中で難民認定が著しく低い現状などを伝えるチラシ1500枚も用意し、トレーの上や食堂の一角に置かれた。また、大聖堂内などに掲示された別のチラシには、「難民として日本に来る前は、私たちと同じように仕事をし、食事をし、家族との団らんを過ごしてきました。どんな生活をし、どんな思いでいるのか。理解するところから、一歩行動していきたいと思っています」とのメッセージも記されている。

ドロワット風カレーは、大ぶりな鶏肉、ひよこ豆などに、ナツメグを含む5種類のスパイスを加えて煮込んだ料理。若干の酸味が特徴で、サイドメニューにサラダとラッシーが付く。

同料理を食した渋谷教会の女性会員(55)は「食事を頂くと、エチオピアの人はこういう料理を食べられているのかと分かり、親近感が湧きます。日本に逃れてきた難民の方について学ぶ機会になりました」と話した。