西日本豪雨で被災した北広島、広島、宇和島の3教会を庭野会長が訪問

法話を通して会員を激励

その後、庭野会長は瀬戸内海を渡り、23日午前、宇和島教会を訪問した。会員195人が参集し、主任(73)、主任(75)、壮年部員(45)が被災体験を発表した。

このうち壮年部員は、河川の氾濫により自宅が大規模半壊の被害を受けたが、大洲市議会議員として被災地域を奔走し、状況確認や行政との連絡などにあたった当時の様子を紹介。その中で、家を失った住民から掛けられた感謝の言葉、自らがサンガに支えられた体験を通して他者を思いやる大切さを改めて感じ、「仏さまの教えを胸に、平和な世界の実現に一歩でも近づく実践を心がけます」と誓願した。

宇和島教会

また、庭野会長は23日午後、河川の氾濫により広範囲で浸水被害が発生した宇和島市吉田町、大洲市を訪問。自宅が床上浸水の被害に遭った会員宅で、当時の状況などに耳を傾け、主任(63)から水害発生後のサンガの支援活動について説明を受けた。

各教会で法話を述べた庭野会長は、悩みや苦しみの根源とされる「貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)」の三毒に触れ、大乗仏教の真髄とされる「煩悩即菩提」の概念を紹介。貪(むさぼ)りや怒り、愚痴といった煩悩は、それ自体が悟りを得る機縁になると説いた。その上で、悩み苦しみが多いほど、それが解決できた時は慈悲の心が湧くと語り、それぞれの経験が同じような苦を抱える人々の救いに生かされていくことを願った。

なお、庭野会長は22日、予定にはなかったものの、松山教会を訪問し、会員250人を前にあいさつした。

西日本豪雨と本会の取り組み

昨年6月28日から7月8日にかけて西日本を中心に降った記録的な豪雨。総雨量は四国地方で1800ミリ、東海地方で1200ミリを超えた。「48時間雨量」「72時間雨量」は、中国、近畿地方の多くの地点で観測史上1位を記録した。消防庁によると今年1月9日現在、死者は237人、行方不明者は8人。住宅の全壊・半壊は1万8010棟に上る。このうち、岡山県で8130棟、広島県で4752棟、愛媛県で3733棟を記録し、一部損壊や床上・床下浸水の被害もこの3県が多かった。

各教会では、会員の安否確認が進められた。災害発生後、庭野日鑛会長は『被災地の皆さまへ』と題したメッセージを発表。本部から職員が派遣され支援活動が行われた。同時に、水の不足に対応するため、近隣県下の教会から備蓄の水、食料が届けられた。発生2週間後、庭野光祥次代会長が被災した教会を訪問した。

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