WCRP/RfP日本委 PNND日本と「核兵器廃絶に向けた共同提言文」作成 NPT再検討会議の準備委員会で各国政府に訴え
核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)日本の総会が4月25日、東京・永田町の衆議院第二議員会館で行われ、席上、PNND日本と世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会による「核兵器廃絶に向けた共同提言文」がまとめられた。
PNNDは、核軍縮を各国の政策に反映させるため、2001年に設立された国会議員による国際ネットワーク。当日は、PNND日本から近藤昭一副会長(衆議院議員)、鈴木馨祐事務局長(同)、冨岡勉氏(同)、山内康一氏(同)、藤末健三氏(参議院議員)が、同日本委から中村憲一郎核兵器禁止条約批准タスクフォース責任者(立正佼成会常務理事)、國富敬二事務局長、神谷昌道氏(WCRP/RfP国際委員会軍縮安全保障常設委員会シニアアドバイザー)が出席した。
今回の共同提言文は、米国・ニューヨークの国連本部で同29日から開催される「核不拡散条約(NPT)再検討会議」の第3回準備委員会に向けてのもの。世界で唯一の戦争被爆国である日本の国会議員と宗教者が協働し、「核なき世界」の実現を各国政府に訴えるために作成された。
17年7月に国連で「核兵器禁止条約」が採択された。しかし、近年、米国、ロシア、中国で核開発競争が激しさを増し、北朝鮮の核開発を含め、世界の脅威となっている。
提言文では、中国の核兵器の増強や米政権のイラン核合意と中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱などを挙げ、「核兵器のさらなる展開と使用の危険性が高まっている」と危惧を表明。核廃絶が進まない要因は「核抑止論」や、“究極的な状況下での核使用”による「核の傘」を安全保障にしているためで、この体制下においてこれまで核兵器が使用されなかったのは「偶然の賜物(たまもの)」にすぎず、誤使用や事故、盗難、拡散の危険性が常にあると訴えた。その上で、核保有国が核抑止論や核の傘について再検証することを強く求めている。
また、北東アジア非核兵器地帯構想の早期実現への取り組み、科学技術の発展に伴う人工知能(AI)やロボットを利用した兵器の開発に対する懸念も盛り込まれた。
共同提言文は、ニューヨークでの準備委員会で各国の政府関係者らに配布された。また、5月3日に行われた、「ヒバクシャ国際署名」(WCRP/RfP日本委が同署名連絡会に加盟)を紹介する準備委員会のサイドイベントの中で、提言文が発表された。