本会一食平和基金「2018年度運営報告」を発表 総額2億7214万円が「貧困(飢餓)の解消」はじめ各分野に

昨年、「一食運動」の浄財から、マラウイの小学生に学校給食が提供された(写真提供・マラウイ赤十字社)

立正佼成会一食(いちじき)平和基金の「2018(平成30)年度の運営報告」が先頃、同運営委員会から発表された。昨年度の支援総額は2億7214万7883円。同委による中期運営方針(2018~23年)に基づき、「貧困(飢餓)の解消」「教育・人材育成」に重点を置いた国内外の事業に活用された。

同基金は、会員が貧困や紛争に苦しむ世界の人々の幸せを願い、月に数回の食事を抜いた食費分を献金する「一食を捧げる運動」の浄財で運営されている。昨年度は、「一乗精神に基づく共生の世界を実現する」との目標に沿い、本会が独自に国内外での平和・社会活動を行う自主プロジェクトをはじめ、国連機関やNGOと協働して実施する合同プロジェクトなどの事業に拠出した。

この中で同基金運営委は、2030年までに世界全体で達成することを掲げる国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)の中で、最優先課題に挙げられている貧困と飢餓の撲滅に協力。地球上の全ての人が健康的に暮らし、それぞれの潜在能力を発揮できる環境の確保が、持続可能な社会づくりに不可欠との考えから、「貧困(飢餓)の解消」に重点を置いた。

この分野では、国連世界食糧計画(国連WFP)と協働してブータンの子供たちに学校給食を提供。栄養不足の改善と就学率の向上に一定の成果が得られ、今年度から同国政府が自主的に運営することになった。また、「アフリカへ毛布をおくる運動」で寄せられた毛布2万9104枚の輸送費にも拠出し、過酷な環境下にあるアフリカの人々の命を守る毛布を現地に届けた。

貧困を解消し、安定的で持続可能な社会を目指す「教育・人材育成」の分野では、シャンティ国際ボランティア会(SVA)と合同でミャンマーの児童を対象に読書推進事業を展開。移動図書館が小学校を訪れ、絵本を貸し出し、子供の情操教育をサポートした。

「緊急救援・復興支援」分野では、地震や豪雨などの災害による国内外の被災者救援のため、緊急支援として2600万5000円を拠出。この中で、イエメンの内戦による国内避難民を救うため、国連WFPに300万円を寄託し、穀類や栄養強化食品を中心とした食料支援がなされた。

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一方、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島3県の被災地で復興に取り組む非営利組織を助成した。

このほか、マラウイの青少年の栄養改善と就学のためにマラウイ赤十字社が行う学校給食と、その食材の自給を目的とした農作物栽培の両事業を支援。「親子で取り組むゆめポッケ」で全国から寄せられたゆめポッケの海外輸送費、一食地域貢献プロジェクトなどにも浄財が活用された。