東日本大震災から8年 庭野会長が磐城、平、仙台教会を訪問
東日本大震災の発生から8年を迎えた3月11日、立正佼成会の庭野日鑛会長は福島県の磐城、平両教会を、翌12日に仙台教会を訪れた。磐城、平両教会へは、震災後初めての訪問となる。各教会で庭野会長は、被災の体験談をはじめ、死別や病などの苦と向き合い、教えを基に仏道精進に励む会員の発表に耳を傾け、法話を述べた。また、同11日午後2時46分、仙台へ向かう車中で震災発生時刻を迎えた庭野会長は、ラジオから流れる時報に合わせて合掌し、犠牲者の冥福を祈って黙とうを捧げた。
201人が参集した磐城教会では冒頭、「献鶴の儀」が行われ、庭野会長が、「祈願」と揮毫(きごう)した折り鶴をご宝前に奉納。震災の犠牲者に慰霊の誠を捧げ、復興を願った。次いで青年婦人部長(38)、総務部長(51)が「喜びの報告」を行った。
この中で、総務部長は、津波で親友を亡くし、震災後のさまざまな困難や葛藤に苦しんだが、「心に本仏を勧請する」との庭野日敬開祖の言葉を支えに耐え、生きてきたと心境を明かした。サンガ(教えの仲間)と触れ合う中で、「自暴自棄になり、精神が病むほど混乱していた私を支え続けてくださった方々がいることがおはからいで、仏さまの慈悲だったのではないかと、8年経った今、やっと思えるようになりました」と発表。「生かされている」との実感を強め、今後は若い世代に教えを伝えていきたいと誓願した。
二人の発表を受け、庭野会長は、文句や愚痴を言いたくなるような境遇であっても支え合い、教えによって物事を感謝で受けとめるその姿勢に敬意を表した。その上で、仏教では、他人や環境を自身の意に沿うように変えようとするのではなく、自らが変わり、苦の解決に努めていくことが大切と話した。