平成30年度「一食地域貢献プロジェクト」贈呈式 障害者福祉はじめ地域の諸課題解決に励む175団体を支援

富士教会が支援した「ゆめ・まち・ねっと」が開催する子ども食堂(写真提供=ゆめ・まち・ねっと)

このうち、「ゆめ・まち・ねっと」は、いじめや虐待などで心が傷ついた青少年を対象に、「子ども食堂」を開くほか、公園で自由に焚(た)き火や川遊びができる機会を提供。子供の話に耳を傾け、食事を共にして心を癒やす活動を続けている。また、地元の行政職員や政治家に活動内容を伝えるとともに、包摂的で多様性のある社会づくりに関する政策提言も行っている。

贈呈式当日に登壇した代表の渡部達也さんは、人の悲しみや苦しみに共感するには、喜びや楽しみを分かち合う経験が土台になるため、たくさんの触れ合いが重要と説明。「子供たちがありのままをさらけ出して仲良く触れ合いながら、自信を持って生きることを願っています。そのように子供たちの成長を見守れる場を、私たちと同じように活動する、全国の地域団体の皆さんと協力して増やしたい」と語った。

同実行委員会の委員長である男性(67)は、「支援をきっかけに、団体の活動にもボランティアの形で参加することを考えています。継続的に協力できれば」と話した。

一方、甲府教会は渉外部や壮年部、支部の代表者らで委員会を構成。「生活が困難な状況にある人に寄り添う、心豊かな社会の実現」を大切にしたいと、「山梨ナチュラル工房」「みつばのくろーばー」のNPO法人2団体への支援を決め、12月8日に教会道場で贈呈式が行われた。

「みつばのくろーばー」は、要介護者が自宅のような生活環境で過ごせるよう、戸建て住居を宅老所とし、小規模な介護支援を行う。贈呈式の中で、介護福祉士で代表の堀内直也さんは、高齢者へのデイサービス(通所介護)や介護者の事情に応じた在宅介護の代行、不登校児童の受け入れを行っていると説明した。また、代表として介護や共生社会のあり方に関して地元紙への連載寄稿に取り組んでいることを紹介。「誰もが自らの存在を無条件に肯定され、いのちが尊ばれる社会づくりのために、これからも頑張ります」と話した。

同委員会事務局長の男性(60)は、「自ら取り組んだ『一食運動』の浄財が社会の役に立つ様子を目の当たりにして、大変励みになります。運動の輪が広がるよう、これからも努力していきたい」と語った。