佼成学園高アメフット部 クリスマスボウル優勝 大逆転で悲願の3連覇

第4クオーター終盤、佼成学園の野村選手がタッチダウンランを決め、逆転に成功

しかし、10点を追う第3クオーターに入っても、1タッチダウンと1フィールドゴールで合計9点を奪われその差は19点に開いた。立命館宇治高の勝ちムードがフィールドに漂い始める。

ところが、最終第4クオーターに入り、試合の流れが大きく変わる。佼成学園高の守備陣が奮闘し、今シーズン練習を積み重ねてきた、低い姿勢で相手選手に当たり、保持しているボールを落とすファンブルを誘うタックルで、立命館宇治高の選手にプレッシャーを掛け続ける。それが功を奏し、この日、キックオフリターンランで2本のロングゲインを成功させた、ディフェンスラインの今熊力丸選手(2年)が放つ素早いタックルを相手選手が避けきれず、ボールをファンブル。すかさず駆け寄ったラインバッカーの寺田暉主将(3年)がボールを抑えて攻守交代のターンオーバーが決まると、それに応えるように、攻撃陣が立て続けに3本のタッチダウンを奪った。ついに、33対33の同点に追いつく。

その直後、敵陣25ヤード付近でボールを保持する相手選手を、ラインバッカーとしても出場する森川選手がタックルでファンブルさせた後、ディフェンスバックの野村馨選手(3年)がリカバー。そのままエンドゾーンへ駆け抜けてタッチダウンを奪い、逆転勝利を引き寄せた。

試合終了後、寺田主将は、「この1年間、相手にリードされた状況を想定し、そこから巻き返すための練習を繰り返してきたので、必ず逆転できると思っていました。今日、それを実現して3連覇を達成できたので、本当にうれしい」と喜びを爆発させた。

試合を決めるタッチダウンを奪った野村選手は、「どんな状況でも全員で一つにまとまることを意識してプレーに集中しました。相手が落としたボールを捕った時は、『走り切るしかない』と必死でした」と笑みをこぼした。

小林孝至監督は、「点差が開いても、プレーを重ねるにつれて、選手たち一人ひとりが徐々に本来の動きを取り戻していたので不安はありませんでした。動きの速い立命館宇治高校のプレーに対応するための練習を重ねてこれたからです。来年はワイドレシーバーで2年生の目黒歩偉君を次期主将として、4連覇を目指して頑張ります」と話した。

なお、大会の最優秀ラインマン賞(安藤杯)に今熊選手、最優秀バック賞(三隅杯)に森川選手が選ばれた。

当日は、庭野日鑛学園長も応援に駆けつけた。選手や監督、在校生ら全員で喜びを分かち合った