佼成学園高アメフット部 全国大会で初の栄冠 咲かせた大輪

形勢は明らかに不利だった。ボール支配時間、攻撃権獲得数、獲得距離など、いずれも関西学院には及ばなかったが、試合を制したのは佼成学園だった――。高校アメリカンフットボールの日本一を決める第47回全国高等学校選手権大会の決勝戦(クリスマスボウル)が昨年12月23日、大阪市のキンチョウスタジアムで開催され、佼成学園「ロータス」(関東代表)が関西学院「ファイターズ」(関西代表)と対戦した。3連覇を狙う“関西の王者”と初優勝を目指す“関東の挑戦者”の対決は、終始劣勢に回りながらも、粘り強い試合運びで佼成学園が27対17で勝利。創部42年にして初の日本一の栄冠を手にした。

試合が動いたのは第2クオーター。それまで関西学院の猛攻をしのぎ、失点を防いでいた佼成学園だったが、終盤に3点の先制を許した。直後、攻守交代に際し、相手がキックオフしたボールを自陣11ヤードで受けた林裕嗣選手(3年)が中央に駆け出す。「監督の指示は中央突破でしたが、相手が近寄ってくるのが見えた」と瞬時の判断で相手守備をかいくぐり左に展開。89ヤードを走り、逆転のタッチダウンを決めた。その後、残り9秒でタッチダウンを奪われ、7対10で前半を終えた。

3点を追う第3クオーターでは、関西学院のパスを土屋蓮選手(2年)、林選手がそれぞれインターセプト。攻撃権を奪い勢いづくと、いずれもタッチダウンにつなげ、再び逆転した。

最終第4クオーターは、7点を反撃されるも最後まで攻め切った。川上理宇選手(3年)が残り16秒で勝利を決定づけるタッチダウン。「ロータス」のチーム名にふさわしく、泥にまみれながら白熱した試合を戦い抜き、大輪を咲かせた。

「目標だった日本一になれてうれしい。優勝を目指してチーム全員が一致団結できたことが勝因だと思います」と主将の市川司韻(しいん)選手(3年)。

両校の選手のヘルメットに貼られた「40」のステッカー

就任23年目でチームを日本一に導いた小林孝至監督は決勝戦を振り返り、「今年は勝負強かった。選手には試合に臨む上での心構えだけを伝えましたが、まさに“神がかり”でした。負けたくないという気持ちが勝利につながったと感じています」と語った。

また、対戦校の関西学院では、大会1カ月前の試合中、不慮の事故で一人の選手が亡くなっていた。佼成学園「ロータス」は、練習前に黙とうを捧げるとともに、亡くなった選手の背番号「40」のステッカーをつくり、相手校に送った。試合では両校の選手のヘルメットに「40」のステッカーが貼られていた。

なお、大会では最優秀ラインマン賞(安藤杯)に主将の市川選手、最優秀バック賞(三隅杯)に副将の林選手が選ばれた。

当日は、在校生、同部OB、近畿支教区の会員らが応援に駆けつけ、横断幕や手製のパネルを手に声援を送った