全国で「成道会」 報恩感謝の心で菩薩行の実践を

大聖堂には約3000人が参集

続いて会員を代表して、沖縄教会支部長(70)が体験説法に立った。同支部長は、小学校教諭と教育者教育研究所沖縄支所(当時)の所員として活動する中、中学生の三男が不登校になったことで自らを見つめ直した体験を発表。教えを支えに、息子の苦悩と向き合うことで、「良い事をしているつもりで自己満足していた自分に気づくことができた」と述べた。

この後、法話に立った庭野会長は、成道会に際して「仏さまの教えを自分の人生にどうあてはめていくか――苦悩をなくしていくことがとても大切なこと」と強調。釈尊の悟りは、宇宙の道理であり、釈尊が生まれる前から、また亡くなられた後も宇宙を貫く「永遠の真理」であり、その教えに自らの心を寄せていくところに「仏道の修行がある」と説いた。

庭野会長

さらに、仏教を自分に照らして受け取る大切さに触れ、「特別なことに気がつかなくても、日常に有り難いという気持ちを起こしていくことが、仏さまの悟られた教えをそのまま、わが身に頂いていることにつながる」とし、そこが「私たちが救われるか、救われないかの大切なポイントになってくる」と述べた。その上で、読経供養で「願わくはこの功徳を以(もっ)て 普(あまね)く一切に及ぼし 我等と衆生と皆共に仏道を成ぜん」と読み上げる「普回向」の言葉に言及。自分のためではなく、世のため、人のためを願って行うのが菩薩行と説明し、釈尊の教えを多くの人に伝えていくことが菩薩行であると述べた。

なお式典終了後、「ランチタイムコンサート~妙音の調べ~立正佼成会80周年記念ガラ・コンサート『パイプオルガンで綴る立正佼成会80年史』」が開かれ、「行進曲」「道ははるかに」「4つの仏教讃歌によるファンタジー」など6曲が、教団80年の歴史を振り返るスライド、ナレーションとともに披露された。