全国で「成道会」 報恩感謝の心で菩薩行の実践を

釈尊が悟りを開いた意義をかみしめ、報恩感謝の心で菩薩行実践への決意を新たにする「成道会」が12月8日、大聖堂をはじめ全国の各教会で開かれた。大聖堂には、会員約3000人が参集した。

成道会は、「降誕会」「涅槃会」と並ぶ仏教三大行事の一つで、釈尊が悟りを開いたこと(成道)を祝い、催される法会をいう。今から2500年ほど前、釈尊は万人が救われる道を求めて出家し苦行に励んだ。しかし、肉体を痛める修行だけでは道を究めることはできないと思い至る。苦行で疲弊したが、村娘スジャータの捧げた乳粥(ちちがゆ)で身心ともに英気を取り戻した釈尊は、ブッダガヤの菩提樹の下で深い瞑想(めいそう)に入った。そして、ついに12月8日の明け方、全ての迷いから解き放たれ、この世の真理を悟った――。

大聖堂の式典では冒頭、釈尊が成道に至るまでを紹介したアニメーションを上映。川端健之理事長を導師に読経供養が行われ、庭野会長による啓白文を川端理事長が奏上した。

庭野会長の啓白文を奏上する川端理事長

啓白文の中で庭野会長は、悟りを開いた時に釈尊が発したとされる、「奇(き)なるかな奇なるかな、一切衆生悉くみな、如来の智慧(ちえ)・徳相(とくそう)を具有(ぐゆう)す。ただ妄想執着(もうぞうしゅうじゃく)あるを以(もっ)ての故に証得(しょうとく)せず」という言葉を紹介。その上で、釈尊が布教伝道を決意するに至る経緯について「お釈迦さまは、お悟りの内容が人々に理解しがたいものであると思われ、伝えるべきかどうかたいへん悩まれました。しかし、衆生を苦しみから何とか救いたいとの願いから、苦労を承知で布教伝道の一歩を踏み出されたのでありました」と示した。さらに、庭野日敬開祖も、「お釈迦さまの精神を体(たい)して、一切の人々が救われること」を願って本会を創立し、布教伝道に尽くしたことに触れながら、その師の「お陰さまで、お釈迦さまのみ教えに導かれ、み仏の願いに目覚めることができたのであります」と説き、菩薩行の実践を誓願した。

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