アフリカへ毛布をおくる運動 今年寄せられた毛布は2万9104枚
「アフリカを毛布をおくる運動」に流れる“心” 根本副委員長の講演から
1984年にアフリカを大干ばつが襲い、200万人の尊い命が失われました。この年の11月、官民合同の調査団が派遣されることになり、民間団体として声を掛けられたのが日本赤十字社、インドシナ難民を助ける会(現・NPO法人「難民を助ける会」)、日本国際ボランティアセンター(JVC)、そして立正佼成会でした。
その背景として、本会がインドシナ難民の救済に貢献したことが挙げられます。76年、シンガポールで第1回アジア宗教者平和会議(ACRP)大会が行われている最中、インドシナ難民が沖に漂流しているという情報が入りました。その席で庭野開祖(本会の庭野日敬開祖)は、「目の前で困っている人がいるのに、知らん顔はできない」と訴えました。そこで宗教指導者たちは、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際委員会と協力して船をチャーターし、救援に乗り出したのです。翌年にはベトナム難民の受け入れも始めた本会に対し、外務省や国連が強い信頼を寄せるようになりました。
調査団の一員として私は、約3週間にわたり、アフリカの8カ国を回りました。特に被害の大きかったエチオピア北部のティグレ州は、赤道に近い一方、標高が2000メートル以上もあるため、朝晩の気温は5度程度と非常に低く、反対に日中は40度に迫る酷暑に見舞われ、一日で夏と冬の両方を体感するほど厳しい環境でした。食べ物はなく、着る物も家もない。その中で多くの命が失われていました。
この調査を機に、ユニセフのジェームズ・グラント事務局長(当時)が、命の危機にひんするアフリカの人々を救いたいと呼び掛けたことで、外務省を中心として12月中旬に「アフリカへ毛布を送る会」(現在の「アフリカへ毛布をおくる運動」)が発足しました。