アフリカへ毛布をおくる運動 今年寄せられた毛布は2万9104枚

マラウイでの毛布の配付。現地NGOの協力を得て、困窮する人々に手渡される

早速、一番過酷な状況のエチオピアに、クリスマスプレゼントとして毛布を送ることになり、外務省から教団本部に協力の依頼がありました。発送までほとんど時間はありませんでしたが、青年男女部の皆さんが必死に毛布の収集に当たってくださったおかげで、数日で2万枚近くの毛布を集めることができました。
毛布の配付状況を視察するため、私は再び年末にエチオピアを訪れました。毛布の配付地であるアクスムには、1500枚の毛布に対し5000人が集まり、中には40~50キロも歩いて毛布を受け取りに来た人もいたのです。〈1500人を喜ばせ、3500人を泣かせるのならば、来なければよかった〉。私は心から反省しました。同時に、〈毛布を持って必ず戻ってくる〉と新年の誓いを立てたのです。

帰国直後の1月中旬、新日本宗教団体連合会(新宗連)の理事会が法輪閣で行われ、当時、理事長を務めていた庭野開祖に、視察団の報告をするよう促されました。大勢の理事がいる前で、アフリカの現状や多くの人が毛布を受け取れなかった事実を伝え、毛布の必要性を訴えました。私が報告を終えると、すぐに庭野開祖が口を開かれました。「それはそれは本当にご苦労さまでした。先生方、今の報告をお聞きになっていかがですか? 今こそ宗教者が本気になり、真心でアフリカの人々に救いの手を差し伸べようではありませんか」。その言葉に会場は大きな拍手で包まれ、これ以来、新宗連全体で毛布の収集に取り組むようになりました。

「アフリカへ毛布をおくる運動」は、日本で最も息が長いNGO活動です。「毛布よりお金をあげた方がいい」「現地にも毛布工場はある」など、これまでにさまざまな意見がありました。しかし、私はこの運動の重要な点を、アフリカの人々と絆を結ぶことにあると感じています。

庭野開祖はいつも、こうおっしゃいました。「青年たちよ、今、日本が世界に貢献できる時なんだ。ちょっと前まで、われわれだってユニセフのお世話になっていた。世界に貢献できるうちに、精いっぱい貢献しなさい」と。庭野開祖が心がけていた、今、この瞬間に全精力を傾け、精いっぱい菩薩行に徹するという姿とこの言葉は今でも、私の脳裏から離れません。

(4月7日、東京・杉並区の開祖記念館で行われた「語り部プログラム~『開祖さま・脇祖さま』を語る」から)