WCRP/RfP日本委 KCRPと共催で公開シンポジウム 日韓宗教者の絆 強固に

パネルディスカッションには、日韓両国の宗教者が登壇

この後、パネルディスカッションが行われ、殿平師に加え、韓国キリスト教協議会教会一致委員会局長のキム・テヒョン氏、韓国カトリック司教協議会全国委員会部長のヤン・ドクチャン氏、天道教社会文化館館長のチョン・ジョンスク氏、黒住教教主の黒住宗道氏、日本キリスト教協議会総幹事の金性済氏、本会学林学長の庭野統弘氏が登壇。武蔵野大学名誉教授の山崎龍明氏がコーディネーターを務めた。

この中で、キム氏は、日韓両国が被害者と加害者といった立場や言葉の違いを乗り越え、平和のために宗教者として向き合う大切さを強調。ヤン氏は、今年に入って南北融和が急速に進んだ現状に触れ、日韓関係でも同様の努力がなされることに期待を示した。また、チョン氏は、4世紀から続く日韓関係の歴史を振り返った上で、「日韓の宗教指導者が集い、対話し、協力していく中で、平和のために何ができるかを考えましょう」と語り掛けた。

一方、黒住氏は、遺骨発掘に携わった青年たちのように、個々人の絆を強める大切さを指摘。金氏は、旧西ドイツのヴァイツゼッカー元大統領の「過去に眼を閉ざす者は、未来に対してもやはり盲目となる」という言葉を引用し、「逆風に臆することなく、悔い改め、和解と平和の道をこれからも力強く歩みたい」と語った。さらに、庭野氏は、今年9月から10月にかけてソウルを訪れた際に出会った国会議員が、長年にわたって民主化運動に携わっていたことを紹介し、「政府にばかり期待するのでなく、宗教を持つ私たちが自らの信仰に基づいた行動を起こすことが大切だと感じた」と述べた。

なお、「日韓宗教指導者交流」プログラムではこのほか、期間中に伊達市にある有珠善光寺や有珠聖公会への訪問などが行われた。