普門館で「鼓笛有志による報恩感謝のつどい」 真心込めて奏で、舞う

会員の声

S.Nさん(66)=渋谷教会、男性
毎年夏、全国各地から鼓笛隊の仲間が普門館に集う、その礎を築いてくれたのは、佼成吹奏楽団(現・東京佼成ウインドオーケストラ)の指揮者を務めた河野貢造先生(享年88)でした。河野先生が渋谷教会の会員だったこともあり、全国の各教会に先駆け、渋谷教会の鼓笛隊は、1960年に結成されました。私も、小学3年生の時に入隊し、河野先生の指導を受け、十数年間、仲間と共に普門館の舞台に立った一人です。

22歳で北海道札幌市へ転勤後、河野先生からの後押しもあり、札幌の子供たちへの楽器の指導に携わりました。〈子供たちを普門館の舞台に立たせてあげたい〉。その願いは8年越しでかなえることができました。

思い出のたくさん詰まった普門館の大舞台で、30年ぶりに演奏させて頂き、胸がいっぱいになりました。渋谷教会鼓笛隊の一員になれた誇りを胸に、これからも青少年育成に力を注いでいきたいと思います。

Y.Kさん(49)=台東教会友佼鼓笛隊責任者、男性
今日は、台東教会に鼓笛隊を創設してくれた先生ご夫妻の写真を持って、後輩たちの演奏・演技の応援に来ました。

私も小学2年から高校3年まで鼓笛隊で育ててもらった一人です。しばらく離れていましたが、9年前に後輩たちの育成を先生から任されたのです。その一年後、先生は84歳で亡くなられました。

トロンボーン奏者だった先生は、大好きな音楽によって戦時中の苦しみやつらさを乗り越えられたそうです。その救われた体験を糧に、青少年育成の一助にと、50年もの間、鼓笛隊に情熱を注がれました。

厳しくも、温かく包み込んでくれた先生。今、私が先生のように引き継げているかは分かりませんが、楽器の技術だけでなく、人間として大切なことを伝え、学校や職場、自分の置かれた場所で輝ける青少年を育てたいと願ってきました。今日、普門館で後輩たちの演奏・演技に触れ、改めてその思いを強くしました。

H.Kさん(24)=府中教会、女性
幼い頃から、バレエやピアノ、バスケットボールなど、さまざまな習い事をしていました。でも、根性がなかったのか、何をやっても長く続きません。そんな私が唯一、幼稚園から高校3年の卒業までの15年間も所属したのが、教会のバトンチームでした。

自分でも、〈よく頑張った〉と誇れるバトンだったからこそ、最後は有終の美を飾りたいと夢見ていました。しかし、私が高校3年生の引退の年、東日本大震災の影響で、普門館でのフェスティバルは中止になりました。

7年の時を経て、夢がかなったような気持ちです。演技後、舞台で目をつむり、現役時代の楽しかったこと、苦しかったことを思い返しました。毎年行われた夏のフェスティバルの演技は、たったの4分の持ち時間でしたが、バトンの技術だけでなく、厳しい練習を乗り越えた仲間の存在と、その仲間と共に過ごした時間など、多くの宝物をもらっていると感じる、かけがえのない時間でした。今でも胸が熱くなります。

今後も多くの仲間のつながりや、後輩となる子供たちとの縁を大事にして、バトンチームを支えていきます。

H.Yさん(12)=練馬教会、小学生女子
私は2歳の時に初めてポンポンで普門館の舞台に立ちました。2年間続けて出たそうですが、ほとんど覚えていませんでした。

最近、私は普門館がすごい所だと知って驚きました。今は練馬教会に鼓笛隊はないので、昔、鼓笛をしていた先輩からバトンの振り付けを教えてもらい、家でたくさん練習をしました。今回、幼なじみの友達や、お母さん、妹と同じ舞台に立つことができて、とてもうれしかったです。

M.Dさん(42)=府中教会、女性
今回の「鼓笛有志による報恩感謝のつどい」に向け練習が始まった時のことです。久しぶりに手にしたトランペットの音は思うように出ず、練習のたびに私は焦りを感じていました。しかし、鼓笛の先生や仲間はいつも「大丈夫だよ」と励ましてくれ、心が温まるのを感じました。大好きだった鼓笛の素晴らしさを改めて実感できた時間でもありました。

今回、20年ぶりに普門館のステージで演奏ができました。楽しかった思い出がよみがえって、今は感謝の気持ちでいっぱいです。

落ち込みそうな時、励ましの言葉がどれだけ、人に勇気や元気を与えるか、今回の鼓笛隊の練習を通して20年ぶりに体験することもできました。その感謝として、今度は私から思いやりのある言葉を発信していきたいと思います。