「紛争転換」のためのシミュレーションを体験 WCRP/RfP日本委がセミナー
同胞や愛する人を奪われた者同士の報復の連鎖を生み続ける紛争に和解をもたらすにはどうするか――その役割を果たすための「平和と和解のためのファシリテーター養成セミナー」第6回(全8回)が7月7、8日の両日、東京・杉並区にある佼成図書館視聴覚ホールで行われた。
同セミナーは、日常の問題から国際的な課題まで、さまざまな対立を乗り越えて和解をもたらす人材(ファシリテーター)の育成を目的にしている。主催は、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会和解の教育タスクフォース。宗教者、大学院生、大学生、NGO関係者ら40人が参加した。
今回は、対立状態にある者同士に働き掛け、対話などの和解の場をもたらす『流れをつくる』がテーマ。7日には、異なる宗教と文化間に生じた紛争を克服するためのワークショップが行われ、紛争解決トレーニングを各国で手掛けてきたKAICIID(アブドッラー国王宗教・文化間対話のための国際センター)シニア・アドバイザーのモハメド・アブニムル氏が講師を務めた。
アブニムル氏は、争いの多くは文化や宗教の違う他者を受け入れられないことで生じ、実際の紛争では、そこに宗教、国家、企業などが絡み、より複雑になると説明した。特に、宗教の教義は、他者の排除や攻撃の正当化に利用されやすいと指摘。一方、「許しや正義を説く宗教が和解に向けた大きな一歩に貢献し得るのは確か」とも話し、宗教者の姿勢が重要になるとの考えを示した。
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