「紛争転換」のためのシミュレーションを体験 WCRP/RfP日本委がセミナー

「紛争転換のシミュレーション」を終え、参加者はそれぞれが演じた役の中で感じた心の動きを振り返った

この後、参加者は「紛争転換のシミュレーション」を体験。異なる信仰を持つ民族間で刺殺事件が起きたという設定で先住民族、敵対する宗教グループ、紛争解決のNGO団体やジャーナリストになりきり、物語を演じた。自らの行為の正当性を訴える双方の主張は対立を深め、やがて武力衝突に発展。威嚇、改宗の要求、偏向する報道、武器の密輸などが重なる中で、対話の場が設けられたが、簡単に事は運ばない。

シミュレーションの様子を目にしたアブニムル氏は「人間は自分に都合の良い情報を無意識に選択することで自己を擁護し、それが他者の排除につながります」と強調する。宗教団体のリーダーを演じた参加者は、「周囲の勢いに押され、自分の意見が二転、三転してしまいました。ファシリテーターには双方の意見に耳を傾け、冷静な分析と判断ができる力が必要だと学びました」と話した。和解の教育タスクフォース委員である庭野光祥次代会長(WCRP/RfP日本委理事)は、「和解は、正論を論じるだけでは通じないことがあります。相手の立場に立って考え、想像力を働かせることも重要です。その想像力を働かせる訓練の場は日常生活の中にあふれていると思います」と語った。

翌8日に参加者は、イラク北部からトルコ東部の山岳地帯に居住する「ヤズディ教」のブリーン・タフシーン国際代表とカラフ・メルザ氏からヤズディ教徒が受けている迫害の実態を学んだ。

イスラームの名を借りた過激派組織「イスラーム国」(IS)はヤズディ教徒を異端視し、大量虐殺。子供や女性の誘拐も頻発し、多くの人々が居住地を追われた。二人は、暴力の実態と、虐殺から逃れることができた後も苦境にあえいでいるヤズディ教徒の現状を報告した。それでもなお、メルザ氏は「武器を持って戦うことは解決策にはならない」「友人であり、きょうだいである私たち人間は、平和のために共存すべきだとヤズディ教では考えている」と述べ、平和への協力を求めた。