支え合って人をつくり平和を築く テラ・ルネッサンスが世界会議2018を開催

カンボジアでは1970年代に発足したポル・ポト政権下の内戦で大量の地雷が埋められたといわれている。カンボジア事務所スタッフのサムリット・ラウ氏は家族で田畑を開墾中に地雷の事故に遭い、左足のひざ下を失った。故郷の村にあるNGOで裁縫技術の訓練を受け、2009年からテラ・ルネッサンスで働いている。現在は、紛争の被害者や、地雷が埋まる地帯で生活する人々への支援活動を行っている。

パン・プーさん(左)と家族

写真提供:NPO法人テラ・ルネッサンス

スピーチの中でラウ氏は、受益者の一人で、地雷で片方の足を失ったパン・プーさんの話を紹介した。妻と10人の子を養ってきたが、働くことができずに苦悩していたプーさんに、自宅で野菜を栽培できるよう支援してきた。ラウ氏は、野菜の栽培で食料不足を解消して生活が安定し、販売で得た利益で抱えていた借金も完済できたプーさんの現状を報告。「私も足を失い、差別を受けたことがあった」と地雷による悲劇に見舞われた自らの体験にも触れながら、ラウ氏はハンディキャップがあっても助け合うことで誰もが未来を変えていくことができると語った。

続いて行われた特別講演では、『人づくりの種をまく――沖縄発! 舞台が元気を運んでくる』と題し、舞台演出家の平田大一さんが講演。平田さんは、沖縄・うるま市で行われている中高生による現代版組踊「肝高の阿麻和利」の舞台活動を紹介しながら、地域の歴史を生かしてそれぞれの可能性を引き出す大切さを詳述した。